レポート株式会社ユー・エム・ティーなど2社

2011/05/13

TDB企業コード:850027050 長崎県雲仙市 旅館業 特別清算開始決定受ける 負債32億1200万円

「長崎」 (株)ユー・エム・ティー(資本金4800万円、雲仙市小浜町雲仙320、代表清算人宮崎高幸氏)と、(株)エム・アール(資本金2000万円、同所、代表清算人宮崎高一氏)は、4月18日に長崎地裁島原支部より特別清算開始決定を受けていたことが判明した。

 申請代理人は両社ともに萬年浩雄弁護士(福岡県福岡市中央区赤坂1-15-33、電話092-751-5006)ほか1名。

 (株)ユー・エム・ティーは、1929年(昭和4年)8月創業、63年(昭和38年)9月に法人改組したホテル経営業者。観光ホテル「宮崎旅館」の運営を行い、雲仙地区の旅館のなかでもトップクラスの業容を持つ会社であった。

 しかし、雲仙地区への観光客の減少により2009年8月期の年収入高は約7億8400万円と、ピーク時の収入高から半減。損益面でも温泉から噴出する硫黄対策のため定期的な設備メンテナンスが負担となり、債務超過の状態が続いていたため、金融機関の主導により2010年3月に(株)雲仙宮崎旅館に運営を移管し、同年8月31日に株主総会の決議により解散していた。

 (株)エム・アールは、(株)ユー・エム・ティーの関係会社として2003年(平成15年)2月に雲仙市にある旅館「半水慮」を買収する目的で設立。高級旅館として知名度が高く、富裕層を中心に利用されていたが、景況の悪化や雲仙への観光客が年々減少していたなか、2009年8月期の年収入高は約3億2000万円となっていた。損益面でも当初の買収に掛かる金融借入が重たく財務面も脆弱で、2010年7月に同旅館の営業権と土地・建物を福岡の業者に売却、同年8月31日に株主総会の決議により解散していた。

 負債は(株)ユー・エム・ティーが約25億1300万円、(株)エム・アールが約6億9900万円、2社合計で約32億1200万円。