レポートミコット・エンド・バサラ株式会社

2011/04/26

TDB企業コード:981150866 東京都渋谷区 映像コンテンツマネジメント 破産手続き開始決定受ける 負債19億3800万円

「東京」 ミコット・エンド・バサラ(株)(資本金5億6013万3181円、渋谷区恵比寿南1-1-10、代表三宅澄二氏ほか1名)は、東京地裁へ自己破産を申請し、4月21日に同地裁より破産手続き開始決定を受けていたことが判明した。

 破産管財人は清水知彦弁護士(千代田区有楽町1-6-1、電話03-3539-3818)。

 当社は、1997年(平成9年)12月に(有)ミコットとして設立。99年6月に株式会社に組織変更したほか、3回の商号変更を経て、2003年3月に現商号となった。

 映画・テレビ映像、インターネット向け映像、DVD・ビデオなどに付随した各種コンテンツの総合マネジメントビジネス(企画開発、制作管理、配給・販売、権利窓口の調整、権利運用、収益配分)を主業としていた。具体的にはクリエーターと企画開発し、出資者とされるビジネスパートナーから出資金を集め、様々なコンテンツの制作を協力会社に外注依頼。完了後の各権利運用費(劇場配給、パッケージ販売、TV放映、インターネット等への放映権販売等)を当社の収入とし、出資者に配分金として支払う独特のビジネスモデルを展開し、2006年3月期には年収入高約20億3400万円をあげていた。

 また、当社が携わった作品としては、2007年5月に公開され、2008年に第31回日本アカデミー賞の優秀作品賞、優秀監督賞、優秀脚本賞、優秀助演男優賞の4部門のほか、話題賞を受賞した『キサラギ』をはじめ、『僕らのワンダフルデイズ』(2009年11月公開)、『彼岸島』(2010年1月公開)、『食堂かたつむり』(2010年2月公開)、『おにいちゃんのハナビ』(2010年9月公開)などがある。

 しかし、近年では、2008年9月に取引先より、制作受託契約義務違反による制作代金の支払を求める訴訟を起こされるなどトラブルが発生したほか、ヒット作品に恵まれず2010年3月期の年収入高は約16億1400万円にとどまっていた。その後は、借り入れ負担は重く、資金繰りにも余裕は乏しく、今回の事態となった。

 負債は2010年3月末時点で約19億3800万円。