レポート株式会社サム&カンパニー

2011/03/15

TDB企業コード:982217923 埼玉県川口市 カジュアルショップ経営 民事再生法の適用を申請 負債44億円

「埼玉」 (株)サム&カンパニー(資本金1億円、川口市芝4-2-10、代表川崎貴文氏、従業員51名)は、3月14日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請、同日保全命令および監督命令を受けた。

 申請代理人は笹原信輔弁護士(東京都千代田区神田錦町3-3、電話03-3291-0636)ほか。監督委員には山川萬次郎弁護士(東京都千代田区麹町3-2、電話03-3239-0631)が選任されている。

 当社は、1972年(昭和47年)5月に設立。現在では「カジュアルハウス306」の店名でジーンズやシャツなどカジュアルウエアの小売販売業に従事し、ウエアーのほか靴、鞄、小物やグッズなども扱い、その他若い女性を対象とした「リップラップ」や「パープルオニオン」などの店舗も運営(のちにこの2業態は閉鎖)。今年2月時点で43店舗の展開となっていた。

 当初は紳士服を中心に取り扱い新宿、赤羽、武蔵小山、新小岩、前橋の5店舗でスタート。その後「メンズショップサム」の店名で東京都、埼玉県を中心に千葉県、神奈川県などにも店舗展開を進め、ピーク時の92年8月期には年売上高約155億5400万円を計上していた。96年3月には全店をカジュアル衣料品の扱いに移行し、店名を「カジュアルハウス306」に変更。その後も店舗開設を積極的に進めていたものの、個人消費の低迷や同業他社との競争もあって売り上げは低迷し、決算月変更(8月から3月)後の2003年3月期には年売上高が約92億5000万円にまで落ち込んでいた。

 2004年4月には実質本店を東京都北区赤羽から現所に移転したうえで商号も現在の(株)サム&カンパニーに変更、最近ではスーパーマーケットや大型CS内への出店に注力するなどして業績は盛り返し、2006年8月期(2005年に決算月を3月から8月に変更)には年売上高も約125億4300万円に回復していた。

 しかし、その後は不採算店舗の閉鎖を加速したことから売り上げは大きく減少に転じ、リストラ費用もかさんで収益面でも赤字が常態化。2009年8月期は年売上高が約76億6500万円まで落ち込んだうえ、最終赤字は約6億5100万円となって4期連続の大幅赤字に陥るなど厳しい状況に追い込まれていた。このため、近時は中古品を取り扱うリユースショップ(FC店)の運営へと一部業態転換を進める一方、女性服なども含め品目の拡充に努めるなどしていたものの、売り上げ減少に歯止めがかからず資金繰りが限界となり自主再建を断念。法的手続きによる再建を目指すこととなった。

 負債は約44億円。