レポート

株式会社大野屋本店

2010/12/24

TDB企業コード:410078868 静岡県熱海市 ローマ風呂で有名な「ホテル大野屋」経営 【続報】 債権者より会社更生法の適用を申し立てられる 負債18億1071万円

「静岡」 既報、11月19日に静岡地裁沼津支部へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けていた(株)大野屋本店(資本金1億円、熱海市和田浜南町3-9、代表大野茂正氏、従業員115名) は、12月22日に債権者より東京地裁へ会社更生法の適用を申し立てられ、調査命令を受けた。

 申請代理人は松田耕治弁護士(東京都千代田区丸の内2-2-2、電話03-6212-5500)、調査委員には小林信明弁護士(東京都千代田区麹町1-6-9、電話03-3238-8515)が選任された。

 当社は、1934年(昭和9年)に温泉旅館として創業され、65年(昭和40年)4月に法人改組した。客室数174室、収容人員1040名の大規模ホテル「ホテル大野屋」を経営し、熱海温泉では最大手クラスにランクされ「ローマ風呂の大野屋」として全国的知名度を有していた。87年7月には20億円を投じて旧館を取り壊して新築し収容力拡大を図り、バブル期には団体客の利用が好調だったことから客室稼働率を維持していた。

 しかし、その後の景気低迷で客数は毎期減少基調を強いられ、2004年12月期の年収入高は約9億9000万円と10億円を初めて割り込んでいた。近年も客数の減少に歯止めがかからず、この間、ホテル設備の大半を銀行借入に依存してきたことに加え、収入減少が続くなか、毎期欠損計上を余儀なくされ、債務超過のもとで厳しい経営を強いられていた。

 その後も業績は好転せず資金繰りは多忙化、金融機関とは弁済条件などの交渉を行ってきたが不調に終わり、事業を継続するために民事再生法の適用を申請し、スポンサーの選定に入っていた。

 負債は約18億1071万円。