レポート中央宣興株式会社

2010/09/30

TDB企業コード:985431604 東京都中央区 広告代理業 事後処理を弁護士に一任 負債76億3200万円

「東京」 中央宣興(株)(資本金1億8000万円、東京都中央区銀座2-6-1、代表大澤茂氏、従業員102名)は、9月30日付けで債務整理および破産申し立てなどにつき、古野浩一郎弁護士(港区赤坂2-2-21、電話03-3586-1616)ほか2名に一任した。

 当社は、1953年(昭和28年)9月に創業、54年(昭和29年)3月に法人改組した広告代理店。テレビCMなど放送広告をはじめ、新聞、雑誌ほか出版物など印刷広告を手がけていた。取扱高は業界20位内外と中堅上位に位置づけられる業者で、海外ネットワークの構築にも注力。66年にタイに現地法人を設立して以降、香港、インドネシア、シンガポール、上海、ベトナムなどに事務所や現地法人を設置して提携を強化してきた。海外拠点を持つ自動車や化粧品、金融、製薬メーカーなどの大手国内法人を主体に300社内外の得意先を有し、ピーク時の92年2月期には年売上高約372億4700万円を計上。また著名なものとしては“武富士ダンサーズ”で有名な消費者金融、武富士のCMを手がけていた。

 しかし、近年においては主力取引先からの受注が減少、同業者間のシェア争いも激化していたことで2005年2月期の年売上高は約214億300万円にまで落ち込んでいた。その後もインターネット広告へのシフトによる既存媒体の広告費減少など厳しい経営環境が続くなか、当社はアジア向けのセールスプロモーション事業へ注力するなど立て直しを図っていたが、2010年2月期の年売上高は約202億5800万円にとどまり、資金繰りも余裕のない状況となるなか、ここへきて決済が困難となったことで今回の事態となった。

 負債は2010年2月期末時点で割引手形を含めて約76億3200万円。