レポート株式会社ニチオリ

2010/08/06

TDB企業コード:987148140 東京都新宿区 折り込みチラシ企画・制作 債務整理を弁護士に一任 負債37億5700万円

「東京」 (株)ニチオリ(資本金1000万円、新宿区高田馬場1-29-1、代表妹尾昭信氏、従業員43名)は、8月5日までに事後処理を松浦光明弁護士、諸節百合子弁護士(神奈川県横浜市中区住吉町1-6、電話045-671-9233)に一任した。今後については法的整理を含めて現在検討中。

 当社は、1984年(昭和59年)4月に設立。新聞の折り込みチラシを主体とした広告の企画・制作を主業とするほか、新聞・雑誌を媒体とした広告代理業も手がけていた。社内に制作部門を有していることが強みであったことに加え、そのデザインについては日本新聞協会から受賞されるなど定評があり、スーパーマーケットやスポーツジム、マンション販売業者を中心として多くの得意先を抱えていた。

 また、韓国、北米からの洋紙輸入も手がけており、現地の洋紙販売業者と直接取引をしているため比較的安い価格での販売を行っていた。近年では、原材料価格高騰の影響で、国内メーカーの扱う洋紙の値段が高騰、当社が扱う紙に関する需要が伸び、2008年12月期には年売上高約78億7600万円を計上していた。

 しかし、売り上げを伸ばす一方で洋紙輸入販売拡大に伴い借入金が増加し、資金繰りが徐々に厳しさを増していた。続く2009年12月期には取引金額が大きかったことからリスクの増大や利益率の低下を招いていた紙卸業について縮小させたこともあり、年売上高も約47億8800万円にまで減少していた。この間、大口の焦げ付きが発生したことに加え、輸入紙を巡り取引先とのトラブルも発生。また、国内景気低迷の影響を受け折り込みチラシの需要が減少、ここにきて資金繰りに行き詰った。

 負債は2009年12月期末時点で約37億5700万円。