レポート和田金属工業株式会社

2010/07/02

TDB企業コード:540366624 兵庫県多可郡 機械器具製造 事業停止、自己破産申請へ 負債32億8900万円

「兵庫」 和田金属工業(株)(資本金1000万円、多可郡多可町八千代区下野間33―169、代表青木良治氏、従業員79名)は、7月1日付で事業を停止し、事後処理を茂木立仁弁護士(神戸市中央区御幸通7-1-15 三宮ビル南館5階、神戸H.I.T.法律事務所、電話078―200―3066)ほか3名に一任、自己破産申請の準備に入った。

 当社は、1993年(平成5年)7月に親新サービス(株)として設立したが、すぐに休眠。2005年に、多額の負債を抱え段階的に関係会社売却やリストラなどの再編を続けていた旧・和田金属工業(株)<1950年(昭和25年)7月創業、54年(昭和29年)6月法人改組>(大阪府豊中市)が、同社と(株)ワコー(兵庫県多可郡)から会社分割する形で、両社の優良資産と営業基盤を譲渡され、現商号へ変更、再開したものである。

 大手メーカーからの受注により金融機器(ATM・CD・両替機等)やたばこ自動販売機向けほか各種のキャビネットの製造を行い、2007年6月期には年売上高約20億8600万円を計上していた。

 しかし、以降はたばこ自動販売機の成人認証方式の特需がなくなったうえ、景気低迷下にあって金融機器の受注も落ち込んだために2009年6月期の年売上高は約6億9300万円にまで減少。大幅な欠損を計上し債務超過に陥っていた。メーンバンクからの支援体制のもとで新規顧客を開拓するなど業況回復に努めたが、さらなる環境悪化から事業継続を断念し、今回の事態となった。

 なお、旧・和田金属工業とワコーおよび海外関連会社の処理は今後検討していく予定とのことである。

 負債は2009年6月期末時点で約32億8900万円となっているが、変動する可能性がある。