レポート

富士興産株式会社

2010/03/16

TDB企業コード:581597685 大阪府大阪市浪速区 レアメタルリサイクル業者 民事再生法の適用を申請 負債30億円

企業コード:581597685

「大阪」 富士興産(株)(資本金4500万円、大阪市浪速区稲荷1-9-28、代表小川金治郎氏、従業員22名)は、3月16日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請した。

 申請代理人は、鷹野俊司弁護士(大阪市北区西天満5-9-3アールビル本館5階、弁護士法人中本総合、電話06-6364-6242)。監督委員には豊浦伸隆弁護士(大阪市北区堂島1-6-20堂島アバンザ6階、協和綜合法律事務所、電話06-6341-7961)が選任されている。

 当社は、1989年(平成元年)7月設立したレアメタルのリサイクル業者。ニッケル、タングステンなどのレアメタル(50%)のリサイクルを中心に、金、銀、インジウムなどの地金20%、ステンレス・ステンレススクラップなどの卸売りも手がけ、一部外注を利用しての切断加工なども行っていた。代表の長年の業界経験のもと、国内の非鉄金属業者のほか、韓国や中国、台湾など海外からの仕入れルートを整え、東京や大阪の大手製鉄業者を中心に営業基盤を確立。世界的に鉄鋼需要が旺盛で主力得意先からの受注が好調であった2007年6月期には前年同期比204.1%増となる年売上高約150億2300万円を計上するなど急速に業容を拡大していた。

 しかし、サブプライムローンに端を発した世界同時不況に伴い、主力得意先の減産が加速したことで、年売上高は、2008年6月期約79億7300万円、2009年6月期約36億円にまでダウン。そうした中、一定の収益は確保していたものの、近時の急激な円高により金融機関と契約していたデリバティブ取引で多額の為替差損が発生、本業の事業継続を図るため、民事再生法による再建を目指すこととなった。

 申請時の負債は約30億円。