レポート京品実業株式会社

2009/10/27

TDB企業コード:982440468 東京都品川区 品川駅前の老舗「京品ホテル」経営 破産手続き開始決定受ける 負債70億円

「東京」 京品実業(株)(資本金1000万円、港区高輪4-10-20、代表清算人小林誠氏)は、9月24日に債権者により東京地裁へ破産を申し立てられていたが、10月23日に同地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は、鈴木銀治郎弁護士(千代田区霞が関3-2-5、電話03-3595-7078)。

 当社は1873年(明治6年)に創業した「小林旅館」が前身となり、その後、昭和に入り都市計画や道路拡張工事などを経て、品川駅前の土地を取得。「京品ホテル」の屋号でホテル事業に進出し、1973年(昭和48年)6月に法人改組した。現在のホテル建物(4階建・客室数52)は1930年(昭和5年)に建設され、宴会場、会議室、飲食店も完備していた。

 89年に北志賀高原にリゾートホテル「アムスリゾートホテル北志賀」をオープンするほか、飲食店・会員制クラブ・ファッションホテルの経営などを手がけるようになり、事業を拡大したがバブル経済の崩壊で経営計画は頓挫。96年以降は相次いで店舗を閉鎖し、アムスリゾートホテル北志賀も2002年に閉鎖した。

 その後は京品ホテルの経営とホテル内の飲食店の経営に専念してきたが、かつての事業拡大に伴う借入金が経営を圧迫。2007年にはホテルに担保設定されていた根抵当権が相次いでリーマン・ブラザーズ系の事業者向け貸金業者であるサンライズファイナンス(株)(東京都港区)へ譲渡され、その総額は59億円内外に及んでいた。

 こうしたなか、2008年9月16日にサンライズファイナンス(株)およびリーマン・ブラザーズ証券(株)(東京都港区)が東京地裁へ民事再生法の適用を申請。2008年10月19日をもってホテルおよび飲食店事業をすべて閉店とし、ホテルの廃業と従業員解雇を発表、10月21日付で解散していた。しかし、一部の従業員がこれに反発し、自主営業を行う事態に発展。今年1月15日に東京地裁は建物明け渡しの仮処分を決定、1月25日には明け渡しの強制執行が行われ大きな話題となっていた。さらに7月にサンライズファイナンス(株)の保有する債権が別会社に譲渡され、同社が申し立てていた。

 負債は現在調査中だが、約70億円が見込まれる。