レポートゴマブックス株式会社

2009/09/07

TDB企業コード:983937034 東京都港区 ケータイ小説『赤い糸』など出版 民事再生法の適用を申請 負債38億2000万円

「東京」 ゴマブックス(株)(資本金1億円、港区赤坂1-9-3、代表嬉野勝美氏)は、9月7日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請、同日、保全命令を受けた。

 申請代理人は田中克幸弁護士(中央区銀座7-10-6、電話03-3569-1701)ほか2名。監督委員には近藤丸人弁護士(中央区銀座1-8-21、電話03-3567-6261)が選任されている。

 当社は、1988年(昭和63年)7月に設立された中堅の出版会社。当初は、ホビー商品の企画制作会社として活動していたが、90年より出版を手がけるようになった。ビジネス書から絵本まで取扱い分野は幅広く、なかでも近年は、児童書『レインボーマジック』シリーズや『ちびギャラ』シリーズ(累計150万部)、ケータイ小説『赤い糸』シリーズ(累計330万部)などベストセラーシリーズのほか、ビジネス書『なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか?』は30万部を突破。2009年1月期は近年のピークとなる年売上高約32億3200万円を計上していた。

 しかし、国内景気の悪化やベストセラーの不在、返本率の上昇など業界環境が悪化。当社においても新刊の出版点数を増やしたものの販売が激減、同期は経常損失約5億2700万円となったほか、在庫評価損の計上で当期損失約10億3500万円を計上し債務超過に転落。借入金は25億円を超えるなど重荷となっていた。2月には経営効率化を目的として、親会社のゴマ・ホールディングス(株)、兄弟会社のポータ・パブリッシング(株)を吸収合併するなどリストラを進めていたが、今春以降、取引先が保全を強める動きが表面化していた。

 負債は債権者約600名に対し約38億2000万円。