レポート株式会社泉精器製作所

2009/08/24

TDB企業コード:300051124 長野県松本市 家電製品・電設工具・建設機械アタッチメント製造 民事再生法の適用を申請 負債161億円

「長野」 (株)泉精器製作所(資本金8億4290万円、松本市笹賀3039、代表泉俊二氏、従業員498名)は、8月24日に長野地裁へ民事再生法の適用を申請し、保全命令を受けた。

 申請代理人は松嶋英機弁護士ほか(東京都港区赤坂1-12-32、電話03-5562-8500)。監督委員は中村隆次弁護士(長野市県町484-1、電話026-235-6677)。

 当社は、1939年(昭和14年)4月創業、44年(昭和19年)12月に法人改組した長野県内の有力メーカーで、91年3月には泉精密工業(株)(松本市)を吸収合併していた。70年の業歴を持ち、本社工場に加え、九州工場、中国工場、東京・大阪・福岡・名古屋・仙台営業所など国内外に拠点を設け、グループ企業も含めると営業拠点は国内6ヵ所、海外5ヵ所に及んでいた。近時はシェーバー、ドライヤー、電動歯ブラシ、空気清浄機、扇風機、マッサージ機などといった家電製品製造の電機事業部門約65%、電設工具・建設機械アタッチメントなどを扱う機械事業部門約35%の構成比で手がけ、「IZUMI」ブランドとして国内のほかアメリカ、中国、オーストラリア、東南アジアなどへも輸出(国内販売・海外販売のウエートは約1:1)、自社ブランド製品の積極的な販売が奏功した2007年3月期には年売上高約211億7400万円を計上していた。

 2008年3月期は電気事業部において米国向けOEM製品が一段落したことなどにより年売上高は約196億2600万円にとどまり、為替差損や投資有価証券評価損の計上などから約11億7600万円の最終欠損を計上。翌2009年3月期は国内市場の落ち込みに加え、昨年秋口以降の世界的な大不況に伴う輸出の減少などから年売上高は約173億9800万円に後退し、約57億1400万円の最終欠損を計上、この間営業拠点の統廃合や従業員削減なども進めていた。今期も、事業の選択と集中、開発・生産・販売体制再構築、徹底的な経費削減を掲げる一方、130億円を超える有利子負債の圧縮を目指して「事業再生ADR手続き」(私的整理手続き)による抜本的な経営再建を模索していたが、取引金融機関と合意に至らず、民事再生法のもとでの再建を目指すこととなった。

 負債は約168億3300万円。