レポート

ムービーアイ・エンタテインメント株式会社

2009/08/05

TDB企業コード:981110744 東京都中央区 映画・ビデオ配給、制作、宣伝 自己破産を申請 負債42億8984万円

「東京」 ムービーアイ・エンタテインメント(株)(資本金1億7615万円、中央区銀座6-2-1、代表唯敷和彦氏、従業員26名)は、8月4日に東京地裁へ自己破産を申請した。

 申請代理人は萩原貴彦弁護士(中央区八丁堀3-1-5、電話03-6228-3161)ほか1名。

 当社は、2000年(平成12年)4月に設立された映画・ビデオ配給、制作、宣伝業者。従前は映画宣伝配給の受託を専門に手がけていたが、2003年頃から自社企画制作や映画配給も行うようになっていた。「フィクサー」(2008年4月日本公開、アカデミー助演女優賞)など複数のアカデミー賞受賞作品の配給を行うなど実績を有し、2009年3月期には年収入高約27億8500万円を計上していた。

 資金調達など財務体質の強化を図るべく2008年中の上場を目指して準備を進めていたが、日本経済の冷え込みに伴う株価低迷などにより当初予定していた資金調達が困難な見通しとなり上場を断念。一方で、上場による資金調達を見越して作品の買い付けを行っていたことから先行する形で支出が増加、昨秋からの金融不安の影響で金融機関からの資金調達も困難となり、資金繰りは急速に悪化していた。

 このため、経費削減のほか借り入れや増資、スポンサーによる救済などの対策を講じてきたものの奏功せず、取引先に対する支払いに支障を来していた。ビデオ販売収入において支払いの留保が発生し人件費の支払いが困難な状況となったことから、今回の措置となった。

 負債は債権者約291名に対し約42億8984万円だが、今後変動する可能性がある。