レポート楽天フィナンシャルソリューション株式会社

2009/07/17

TDB企業コード:989425552 東京都品川区 システム企画、開発、運用事業 特別清算開始決定受ける 負債54億8000万円

「東京」 楽天フィナンシャルソリューション(株)(資本金15億円、品川区東品川4-12-3、代表清算人村上達志氏)は、4月28日開催の臨時株主総会で解散を決議し、7月2日に東京地裁へ特別清算を申請、7月7日に特別清算開始決定を受けた。

 申請代理人は山中雅雄弁護士(千代田区平河町2-4-16、電話03-3511-1991)ほか1名。

 当社は、2006年(平成18年)7月に楽天(JASDAQ)と東京都民銀行の共同出資により設立。2007年7月には東京都民銀行がインターネット上に楽天支店を開設し、楽天会員向けにインターネットを通じた銀行サービスを提供、当社はそのシステム運用を受託し、システムの企画・開発、事務センターやコールセンターなどの企画・運営を手がけていた。

 しかし、両社の取り組みスタンスの違いから思うように収益があげられず、2007年12月期には年収入高約1億1600万円の計上に対し、当期純損失約15億8400万円を計上、また2008年12月期には年収入高約2億9300万円に対し、当期純損失約56億3200万円の大幅な赤字決算となり債務超過に陥っていた。

 こうしたなか、親会社である楽天が2008年11月にイーバンク銀行との間で資本・業務提携を締結したことにより、東京都民銀行との業務提携契約を解消。これに伴って東京都民銀行は楽天支店をイーバンク銀行へ事業譲渡のうえ、廃店することを決定していた。その後、2009年2月には楽天がイーバンク銀行の連結子会社化を実施し、当社の事業目的が喪失したことから今回の措置となった。

 なお、親会社である楽天は2009年2月12日に発表したリリースの通り、当社に関連する損失処理の大半を2008年12月期決算で実施しており、今期の決算に大きな影響を与えることはない。また、東京都民銀行が所有していた当社持ち株分は2009年4月に楽天に譲渡されている。

 負債は約54億8000万円。