レポート錦海塩業株式会社

2009/04/01

TDB企業コード:610071764 岡山県瀬戸内市 産業廃棄物処理 事業停止、自己破産申請へ 負債126億円

「岡山」 錦海塩業(株)(きんかいえんぎょう、資本金4億8000万円、瀬戸内市邑久町尻海4396、代表下津昭三氏、従業員17名)は、3月31日までに事業を停止し、事後処理を加瀬野忠吉弁護士(岡山市北区中山下1-9-1、電話086-236-1550)に一任、自己破産申請の準備に入った。

 当社は、1956年(昭和31年)3月に創業、1962年(昭和37年)2月に製塩業を目的に設立した。瀬戸内市邑久町尻海地区に広大な塩田を有して、最盛期の2001年3月期の年売上高は約51億1500万円を計上していた。しかし、塩の専売制の撤廃や海外からの安価な輸入塩との競合などによって事業規模の縮小を余儀なくされ、2002年4月に製塩事業を廃止した。

 その後は、塩田跡地を利用した廃プラスチックやコンクリート屑など安定型産業廃棄物の最終処分業者に事業転換したため、2008年3月期の年売上高は約3億9000万円にまで減少した。業容の縮小の一方で過年度の製塩設備の投資に伴う借入金が大きな負担となり資金繰りは逼迫していた。さらに塩田跡地の活用を図ったが、地元住民の根強い反対によって伸展せず、今回の措置となった。

 負債は約126億円(土地の再評価に係る繰延税金債務約76億円を含む)で、岡山県では今年最大の倒産になった。