レポート株式会社インクス

2009/02/25

TDB企業コード:260511288 東京都千代田区 ソフト受託開発 自動車メーカー減産関連 民事再生法の適用を申請 負債169億300万円

「東京」 (株)インクス(資本金8715万円、千代田区丸の内1-5-1、登記面=神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1、代表山田眞次郎氏、従業員400名)は、2月25日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。

 申請代理人は、吉峯啓晴弁護士(千代田区九段南3-9-11、電話03-5275-6676)。監督委員は、勝部浜子弁護士(文京区千駄木3-36-11、電話03-3821-9921)。

 当社は、1990年(平成2年)7月に設立された。3次元CADによる委託設計、モデリングなどを手がけていた。設立当初から光造形システム、3次元CAD・CAMの研究を始め、高い技術力は業界内外で評価されていた。96年からは、高速金型製作の研究を開始。98年には自社高速金型センターを設置し、金型製造受託を開始したことで業容を急速に拡大。近年では、センターを相次いで拡充して、携帯電話業界向けの3D金型製造部門の受注が伸長したほか、自動車業界向けの金型製作に関する「プロセス・テクノロジー」を用いたコンサルティングも伸長し、国内大手企業をはじめ、欧米を中心とした海外企業にも営業基盤を有し、2006年12月期には年収入高約111億3900万円を計上していた。

 その後も、一部事業を子会社へ譲渡したことで減収になったものの、2007年12月期の年収入高は約104億9300万円を維持していた。

 しかし、2008年12月期に入り、景況感の悪化が進んだことで受注環境が急速に悪化。大幅減収が予想されるなか、とりわけ、主力先であった大手自動車メーカーからの受注が著しく減少したことで、急速に資金繰りがひっ迫。機械設備の売却、従業員の転籍など事業の再構築を図っていたが、受注環境は改善せず、自力での再建を断念した。

 負債は、2007年12月期末で約169億300万円。