レポート西岡金属株式会社

2009/02/25

TDB企業コード:580077878 大阪府大阪市西区 中堅鋼材専門商社 事業停止、自己破産申請へ 負債94億7200万円

「大阪」 西岡金属(株)(資本金6000万円、大阪市西区立売堀6-7-51、登記面=大阪市西区新町1-12-19、代表西岡伸起氏、従業員47名)は、2月25日に事業停止し、事後処理を青海利之弁護士(大阪市中央区北浜2-3-9、電話06-6201-4458)ほかに一任、自己破産の申請準備に入った。

 当社は、1934年(昭和9年)10月創業、49年(昭和24年)2月に法人改組した中堅鋼材卸。主に建設業界で使用されるH形鋼を中心に、山形鋼、溝形鋼など各種形鋼を取扱う老舗の専門商社で、69年に泉大津市、75年に福岡市にそれぞれ大規模な鉄鋼センターを開設するほか、東京や福岡、横浜など全国に営業拠点を開設。関連企業を通じての加工も手掛けるなど、大手商社や鉄鋼商社(65%)を主体に全国の直需家(35%)を加えた約700社向けに営業基盤を構築し、1991年1月期は年売上高約402億5800万円を計上していた。

 しかし、以降はアジア勢など海外輸入製品の流入や鉄鋼原料価格の高騰など市場の不安的な動きに加え、バブル経済崩壊に伴う景気低迷の長期化によって、業績は低迷。99年1月期の業績は年売上高約172億7900万円に対し約13億円の最終損失を計上したことから、営業拠点の閉鎖を進める一方で、大手商社から出資や役員派遣を受けるほか、上場鉄鋼商社などと提携して加工設備の集約を図るなど再建を図った。

 近年は全国で大型開発が進むなど建設市況の盛り上がりを受け、やや売上高は回復基調にあったものの、仕入価格の高騰分を販売価格に転嫁できず、2008年3月期は年売上高約128億2800万円に対して当期純利益約4000万円にとどまるなど、収益面は低調に推移。昨年に入ってからは、子会社の吸収合併などを柱とする再建策を模索する一方、主力行や主力商社の支援を受けて再建を目指してきたが、昨秋以降の建設市況の急速な悪化で業績が急激に落ち込んだことから、関係先の支援も限界に達し今回の事態となった。

 負債は2008年3月末時点で、割引手形を含め約94億7200万円。