レポート株式会社アールシステム(旧商号:飯塚薬品)

2008/10/10

TDB企業コード:220242318 群馬県前橋市 元ドラッグストア「イイズカ薬品」経営 特別清算開始決定受ける 負債37億8000万円

「群馬」 (株)アールシステム(資本金2億5935万円、前橋市日吉町3-36-4、代表清算人中村勇一氏)は10月1日に前橋地裁より特別清算開始決定を受けた。

 当社は、1969年(昭和44年)8月に設立。設立以降、度重なる商号変更や住所移転を経た後、旧飯塚薬品の社長であった飯塚明氏が97年11月に当社を買収。商号を飯塚薬品(株)に変更すると同時に、旧飯塚薬品の事業を継承し、ドラッグストアの運営を開始した。群馬県内を中心に埼玉県、千葉県、東京都など約97店舗(2007年12月末)を運営し、医薬品、化粧品、日用雑貨、食料品などの販売を手がけ、2003年4月期には年売上高約297億8200万円を計上するなど群馬県内ではトップの地場ドラッグストアとなっていた。

 近年、同業他社の出店攻勢が加速するなか当社の出店ペースは鈍化、また販売構成についても食料品の比率がアップする反面、利幅の取れる医薬品や化粧品が減少。このようななかで経営効率をアップするため店舗ごとの独立採算方式を導入したが、店舗出店や運転資金を目的とした借入金負担が重く自主再建が難航、2007年9月に(株)スギ薬局(現商号:スギホールディングス(株)、東証1部)が当社株式の85.5%を取得(後に売却)するとともに創業家の飯塚代表が退任、同社の子会社へとシフトし、金融支援を受けるなど立て直しを図っていた。

 しかし、2007年8月末日を基準日とし、商品在庫の評価や減損会計など当社バランスシートの資産見直しを実施し仮決算を行った結果、2007年11月末に約17億円もの債務超過にあることが判明。さらに同年12月末には約20億円にまで債務超過が拡大していた。こうしたなか、1月23日に債権者に対して債務免除、および会社分割による再建計画を打診。その後、2月28日に会社分割により事業継続会社として飯塚薬品(株)(群馬県前橋市、スギホールディングス(株)100%出資)を設立し同社に事業(店舗および社員を含む)を譲渡。同時に当社は商号を飯塚薬品(株)から(株)アールシステムに変更し、清算処理の準備に入っていた。

 負債は金融債務を中心に約37億8000万円。