レポート藤栄建設株式会社

2008/09/10

TDB企業コード:985741115 東京都渋谷区 建築工事 破産手続き開始決定受ける 負債44億円

「東京」 藤栄建設(株)(資本金2億円、渋谷区千駄ケ谷3-50-11、代表内田匡俊氏)は、7月25日に関連会社の日東工営(株)(同所)より破産を申し立てられていたが、9月3日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は伊藤尚弁護士(中央区八重洲2-8-7、電話03-3273-2600)。債権届け出期間は10月8日までで、財産状況報告集会期日は12月16日午前11時。

 当社は、1959年(昭和34年)3月に(株)藤田組(旧(株)フジタ、現(株)エー・シー・リアルエステート)の子会社として設立された土木建築工事業者。90年9月期には年売上高約110億6900万円を計上していたが、建設不況から2002年3月期(決算期変更)の年売上高は約38億1100万円に落ち込み、2003年9月には旧・フジタが所有している当社の株式を(株)グレース(大証2部)が取得、以降は同社の連結子会社となっていた。近年は主に首都圏の民間マンション建築を手がけ、2006年12月期(2003年に決算期変更)には年売上高約90億8300万円を確保していた。

 しかし、2007年秋以降はグループの資金繰りが徐々に悪化。当社の2007年12月期の年売上高は約79億円に落ち込んでいた。こうしたなか、今年2月12日に(株)グレースが東京地裁へ自己破産を申請し、傘下の日東工営(株)も同日民事再生法の適用を申請。(株)東京トレーディングも2月末に事業を停止し4月に破産手続き開始決定を受けたことで、当社の先行きが注目されていた。

 2月12日に臨時休業したものの翌日には営業を再開、廣田稔弁護士(大阪市北区西天満5-16-3、電話06-6365-6588)に委任して善後策を検討し、協力業者に工事再開への協力を要請していた。3月10日付で全従業員を解雇したが、一部有志により営業を継続、仕掛中の工事を進めていた。完工後、11月に会社を整理する方針だったが、グループ間の債権債務関係を整理するために正式な法的処理を求める日東工営からの申し立てにより、今回の措置となった。

 負債は2007年12月期末時点で約44億円。