レポートトランスデジタル株式会社

2008/09/01

TDB企業コード:410049507 東京都千代田区 ジャスダック上場のシステム開発会社 2回目不渡り 負債18億590万円

「東京」 ジャスダック上場のシステム開発会社、トランスデジタル(株)(資本金25億7319万9370円、東京都千代田区永田町2-4-3、代表後藤幸英氏ほか1名、従業員84名)は、8月28日に続き、29日に2回目不渡りを出し、事実上倒産した。

 当社は、1969年(昭和44年)8月、静岡県三島市においてコンピュータによる計算受託やコンピュータ関連のコンサルティング会社として設立された。その後、75年には東京、83年には大阪へ進出するなど業容を拡大。90年12月には日本証券業協会へ店頭登録(現・ジャスダック)を果していた。

 97年頃から建築関連や輸入車販売など多角化を進めたものの失敗、2000年に進出した携帯電話販売事業についても不採算で撤退を余儀なくされていた。その後は資産売却などのリストラを進めたが、2003年3月期末において当時の年収入高を超える不良債権を抱える事態となった。

 その後一旦は業績を持ち直したものの、2007年5月には、資本業務提携先が民事再生法の適用を申請したことで、債権や投資株式など総額27億8400万円の損失が発生するなど業績不振に陥り、2008年3月期まで3期連続の最終赤字となっていた。

 一方、転換社債や第三者割当増資などの直接金融に資金調達を頼っていたが、2001年3月以降にオメガ・プロジェクト(株)(現:オメガプロジェクト・ホールディングス(株)、ジャスダック上場)と業務・資本提携を行ったものの結果的に奏功せず、その後2005年1月からはジェイ・ブリッジ(株)(東証2部)より出資を受け同社から役員の派遣を受けるなど経営体制を一新。同社の影響下で積極的なM&Aで事業領域を拡大するなど再建に努めていたが、期待ほどの成果は得られず、その後ジェイ・ブリッジ(株)傘下から離れて2007年11月に現経営体制に変更していた。

 この間にも新株予約権の発行による資金調達を実施し、直近でも7月後半より、新株予約権を発行、8月27日までに31億3000万円が払い込まれていた。

 ところが、翌28日には取引保証として差し入れていた小切手(額面1億3000万円)について1回目不渡りを発生する事態になり、動向が注目されていた。

 負債は2008年3月末で約18億590万円。

 なお、2008年に入っての上場企業の倒産は、創建ホームズ(株)(東証1部、負債338億8979万円、東京都、8月民事再生法)に次いで14社目(上場廃止後のエー・エス・アイ(株)を含む)となる。