レポート株式会社ホテルニューヴェール北上

2008/08/22

TDB企業コード:130099581 岩手県北上市 ホテル経営 北上市の第三セクター 民事再生法の適用を申請 負債38億5200万円

「岩手」 (株)ホテルニューヴェール北上(資本金4億4925万円、北上市大通り1-3-1、代表鎌田定弘氏、従業員65名)は、8月21日に盛岡地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令および監督命令を受けた。

 申請代理人は長屋憲一弁護士(東京都千代田区平河町2-4-13、電話03-5226-1122)ほか2名。監督委員には村井三郎弁護士(盛岡市本町通2-1-36、電話019-604-8228)が選任されている。

 当社は、1985年(昭和60年)3月に北上市が北上駅前再開発計画にともない、地元北上市財界への出資を呼びかけホテル経営を目的に設立されたもので、北上市が現在22.26%を出資する第三セクターである。同年10月に大手ホテルチェーンのフランチャイズに加盟、JR北上駅前の北上駅前開発ビルに入居していた。98年4月には別館もオープンさせ、2000年3月期の年収入高は約11億3000万円を計上しピークとなった。

 しかし、その後は景気の低迷に加えて、近隣ホテルや外食産業の新規出店が相次ぎ、さらに婚礼の多様化などからブライダル・宴会などの営業収入の先細りも続き、設備投資による多額な金融債務が負担となって、毎期採算割れの経営を余儀なくされた。

 2005年10月に大手ホテルチェーンのフランチャイズ契約満了に伴い現商号に変更し一新を図ったものの、抜本的な改善には至らず、2008年3月期の年収入高は約7億400万円に落ち込み、債務超過額は約10億5900万円に膨らんでいた。取引先の支払い猶予を得てしのいできたが資金繰りが限界に達し、今回の措置となった。

 今後は、これまでも経営指導を受けてきた加森観光(株)(北海道、スポーツ施設提供)の支援を受けて再建を目指し、従業員は全員継続雇用される見通しである。

 負債は債権者約154名に対し約38億5200万円(金融債務約25億5000万円含む)。