レポート株式会社志多組

2008/08/08

TDB企業コード:880004557 宮崎県宮崎市 宮崎県最大手の総合建設業者 民事再生法の適用を申請 負債278億2800万円

「宮崎」 (株)志多<しだ>組(資本金4億5000万円、宮崎市高千穂通1-4-30、代表志多宏彦氏他2名、従業員385名)は、8月8日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。

 申請代理人は南賢一弁護士(東京都港区赤坂1-12-32、電話03-5562-8500)。監督委員には長島良成弁護士(東京都千代田区五番町5-5、電話03-5276-1321)が選任されている。

 当社は、1931年(昭和6年)9月に創業、44年(昭和19年)5月に高田組と合併し(株)志多高田組として法人改組し、50年に同社との合併を解消して現商号となった。以来、九州エリアを中心に営業拠点を拡大するほか、建築資材会社やホテル・レストラン経営会社を相次いで設立して業容を拡大。民間建築工事を主体とする宮崎県内最大手の総合建設業者として高い知名度を有し、フェニックスリゾートホテルや宮崎県立芸術劇場の施工では建築協会賞を受賞するなど技術力にも定評があった。近時は福岡、鹿児島、熊本、大分など九州に7支店のほか、東京支店、宮崎県日向市および所沢市に営業所を構え、2007年6月期には年売上高約378億6700万円をあげていた。

 しかし、地元宮崎での公共工事削減や同業者間との競争激化から、首都圏でのマンション建設に進出。東京営業所を強化し、年間売上高の半分を占めていたが、一方では、デベロッパーを主体に完成工事未収入金が約54億6000万円(2006年6月末)から約123億3900万円(2007年3月末)にまで膨れ上がっていた。

 昨今では、原油高、鋼材価格の高騰や、2007年の改正建築基準法施行による工事の遅れなどで収支が悪化していた。こうしたなか、(株)青木不動産(東京都、6月、破産)や(株)ケイ・エス・シー(東京都、6月、破産)に総額約20億円の大口焦げ付きが発生。その後メーンバンクを中心に支援策を協議していたものの、不良資産や貸付金の償却負担が大きいことから自主再建を断念、今回の措置となった。

 負債は6月末時点で債権者約1100名に対し約278億2800万円。