レポート株式会社丸美

2008/08/04

TDB企業コード:800353316 福岡県福岡市中央区 マンション管理・リゾート施設運営 民事再生法の申請準備中 負債220億円

「福岡」 (株)丸美(資本金10億6134万5000円、福岡市中央区大名2-4-5、代表宮﨑隆氏ほか1名、従業員275名)は、8月1日付けで民事再生法の申請準備に入った。

 申請代理人は村井正昭弁護士(福岡市中央区舞鶴2-7-3、電話092-752-3208)の予定。

 当社は1970年(昭和45年)6月に創業、84年(昭和59年)9月に法人改組。当初はビル管理業務を手がけていたが、その後不動産賃貸業者の営業権を引き継ぎ、福岡県を中心に熊本、大阪にてマンション管理組合の運営補助(435棟1万7129戸/2007年3月末現在)、賃貸管理、リゾートマンション販売、リゾートホテル運営、マンション建設を行い、2007年3月期には年売上高約119億9600万円を計上していた。

 デベロッパーと共同でマンション開発を進めるビジネスモデルを構築し、2002年以降5期で売り上げが5倍を超えるなどの急成長を遂げていた。また本社不動産を2003年9月に特別目的会社(SPC)に信託譲渡する流動化スキームを実施し、地場不動産業界でも注目を集める一方で、2004年10月にはグリーンシート市場銘柄に登録したことに伴う増資を行なうほか、リゾートホテル「ロマネスクリゾート霧島」の預託金や、メガバンクによる資金調達を加速させていた。

 最近では「ロマネスクリゾート菊南」「ロマネスクリゾート由布院の杜」などのリゾートクラブ事業に注力するほか、2007年4月には不動産特定共同事業法に基づく不動産投資ファンド事業「オネストワン」(1口200万円)を開始、また続いて「太陽光発電不動産ファンド」も募集するなど、多様な手法で資金調達し、再投資する積極経営を続け2008年3月期には年売上高約138億9700万円を計上していた。

 しかし、最近では急激な事業拡大が裏目に出て、リゾートホテル事業の採算悪化や、保有不動産の価格下落などで財務内容が悪化。また今年5月にはグリーンシート市場での株式を非公開とするほか金融機関の支援が限定的となるなか、信用収縮が広がり、リゾートホテル会員権の預託金債務の償還資金の調達が付かず今回の事態に至った。

 負債は2008年3月期末時点で約220億円。