レポート

根来産業株式会社

2008/07/18

TDB企業コード:570028628 大阪府貝塚市 ペットボトルのリサイクルで有名なカーペット製造業者 民事再生法の適用を申請 負債85億円

「大阪」 根来<ねごろ>産業(株)(資本金7200万円、堺市西区築港浜寺西町8-13、代表根耒功氏、従業員60人)は、7月18日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請した。

 申請代理人は濵川登弁護士(大阪市中央区高麗橋2-5-10、電話06-4706-0304)。監督委員には阿多博文弁護士(大阪市中央区高麗橋3-1-14、電話06-4707-6206)が選任されている。

 当社は、1972年(昭和47年)3月に設立されたカーペット製造業者。ペットボトルのリサイクル活動で有名な企業で、テレビなどマスコミへの登場機会も多く、家庭用折り畳みカーペットの全国シェアは50%超とも言われる。

 ポリエステル製のタフテッド(タフト)カーペット、特にピース物と呼ばれる大手ホームセンターやGMS向け製品を得意とし、88年にはタイに、2001年に中国に関連会社を設立するなど、早くから海外での生産拠点づくりに着手。原料として100%ペットボトルを再利用することを特徴とし、このほか国内の浜寺工場(現本社)や北海道三笠工場に大規模なリサイクルシステムを構築、94年7月期は年売上高約88億1000万円を計上していた。

 97年4月に施行された「容器包装リサイクル法」が追い風となって業績を拡大していたが、同年には岸和田市の紡績工場、99年に貝塚工場が火災に遭ったほか、この間の旧本社工場(二色浜)や北海道工場の開設、積極的な海外投資などの設備投資に伴い、金融債務は年商を上回る規模で固定化。2004年にかけて一旦、近隣のミシン工場など5工場の閉鎖等リストラを進めたものの、脆弱な財務内容が経営再建の課題となっていた。

 その後も海外製品の大量流入で年々価格競争が激化するほか、ペットボトルのリサイクルも期待通りの収益を生み出さない状況に陥り、2007年7月は年売上高約46億1700万円に対し、当期損失約4億6700万円と2期連続で最終赤字を計上。今年6月には本社を移転するなどのリストラに努めてきたが、先行きの見通しが立たないことから、民事再生手続きによる再建を選択した。

 申請時の負債は約85億円の見込み。

 なお、7月25日午後4時からAAホール(大阪市中央区)で債権者説明会を開催する予定。