レポート丸栄建設株式会社

2008/06/27

TDB企業コード:890038227 鹿児島県鹿屋市 建築工事 続報 自己破産を申請 負債84億9000万円

「鹿児島」 既報、丸栄建設(株)(資本金2500万円、鹿屋市白水町1986-4、代表徳留聖一氏ほか1名、従業員42名)は、6月26日に鹿児島地裁へ自己破産を申請した。

 申請代理人は池田わたる弁護士(鹿児島市照国町13-41、電話099-226-0100)ほか1名。

 当社は、1961年(昭和36年)6月創業、69年(昭和44年)10月に法人改組した建築工事業者。当初は木造住宅の建築が主体であったが、近年は賃貸マンション建築に取り組み、「イリアス」ブランドのマンションを展開、鹿屋市を中心とする大隅半島のほか霧島地区や鹿児島市内でも実績を上げていた。不動産管理、製材業をグループ企業で営み、積極的な宣伝策もあって知名度は浸透していた。土地の有効活用など富裕層向けの提案営業のほか、自社や関係会社の不動産購入によって賃貸マンション販売、また、一般木造住宅の新築やリフォーム工事も手がけ、2007年9月期の年売上高は約40億6000万円をあげていた。

 しかし、2007年6月の建築基準法改正に伴い、高層マンションの建築許可に時間がかかるようになり、自社での不動産取得から契約・設計・完成までの手続きも長期化、資金繰りが悪化していた。さらに鋼材価格の高騰もあり、工期が長期化するマンション建築では契約時点よりもコストがかさみ利幅が減少するケースもあった。今年に入ってからは、太陽光発電供給型マンションの新築など受注状況は良好だったものの、不動産投資などによる資金固定化で資金繰りは一層厳しくなり、今回の措置となった。

 負債は金融債務約53億円を含め約84億9000万円。