レポートジェイオー建設株式会社

2008/06/02

TDB企業コード:540013286 兵庫県神戸市中央区 総合建設工事 大証2部のジェイオーグループホールディングスの100%子会社 民事再生法の適用を申請 負債63億円

「兵庫」 大証2部のジェイオーグループホールディングス(株)(神戸市)が100%出資する連結子会社、ジェイオー建設(株)(資本金4億円、神戸市中央区大日通1-2-18、登記面=加東市社417、代表木寺一郎氏)は、6月2日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。

 申請代理人は木村圭二郎弁護士(大阪市中央区北浜3-7-12、電話06-6222-5755)ほか4名。監督委員は小松陽一郎弁護士(大阪市北区中之島2-2-2、電話06-6221-3355)。

 当社は、フットワークエクスプレス(株)〔旧:日本運送(株)〕の創業社長である大橋實次氏が建築事業に参入するため、1945年(昭和20年)10月に設立した総合建築工事業者。47年11月に(株)大橋組、90年1月にフットワーク建設(株)へと商号変更した。93年3月に大証新2部、96年1月には大証2部へ上場し、97年3月期には年売上高約236億2100万円を計上していた。

 ところが2001年3月には、親会社であったフットワークエクスプレス(株)他2社が民事再生法の適用を申請して破たん(後に会社更生手続き)。同年7月にジェイオー建設(株)に商号変更するとともに、2005年4月には持株会社「ジェイオーグループホールディングス(株)」を設立し、以降は同社の連結子会社となった(上場は同社が継承)。近年は官公庁受注が伸び悩んだことから、不動産の開発及び売買事業などに注力し、2007年3月期には建築工事(売上構成比74.7%)、土木工事(同4.6%)、不動産事業(同20.7%)の営業比率で年売上高約137億6600万円を計上していた。

 そうしたなか、2008年3月20日に開業した京都府木津川市の商業施設「ガーデンモール木津川」をめぐり、開発を手がけた(株)ミキシング(大阪市淀川区)が5月16日に民事再生法を申請したことで、建設工事請負代金約30数億円が未回収となる事態が発生。同月22日、実体の発注者であったとして(株)日本エスコン他1社に対し40億円超の損害賠償請求訴訟を提起する一方で、27日には当該物件を販売用不動産として資産計上(所有権登記)し、別の売却先を選定するなどの方針を親会社が明らかにしていた。

 しかし、資金調達計画に大幅な狂いが生じたことから先行きの見通しが立たず、今回の措置となった。

 申請時の負債は約63億円だが、今後変動する可能性がある。