レポート株式会社アスコム

「東京」　（株）アスコム（資本金1億8050万円、東京都千代田区麹町5-3、日暮哲也社長、従業員39名）は、3月10日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、保全命令を受けた。

　申請代理人は河合弘之弁護士ほか（千代田区内幸町1-1-7、電話03-5511-4400）。

　当社は、1996年（平成8年）8月に当時の（株）アスキーの書籍販売を目的として設立された出版社。「月刊アスキー」などを出版していたが、2001年に（株）アスキーの経営権が（株）CSKからユニゾン・キャピタル・パートナーズに移行することとなり、当社も2002年7月に商号を（株）アスキーイーシーから（株）アスキー・コミュニケーションズに変更。その後、グループ内で事業の譲渡・分割が行われ、2003年3月に（株）アスキーからの出資はなくなり、同年6月に現商号となった。

　定期刊行物としては「NHK　ためしてガッテン」や「NHK　英語でしゃべらナイト」を手がけるほか、単行本として「借りたカネは返すな！」などのヒット作もあり、2005年3月期の年売上高は約17億9000万円を計上していた。

　しかし、返本率が40％程度で推移し利益率は低迷。2007年3月期には利益率の改善を目的として出版数を抑制したものの、年売上高は約15億1000万円に減少し経常赤字に転落。在庫の整理損として約1億7400万円の特別損失を計上したことで約1億9500万円の最終赤字に陥っていた。借り入れ負担も重荷となるなか、今年1月には役員を大幅に入れ替えるなど体制の立て直しを図っていたが、今回の事態となった。

　負債は約15億5672万円。