レポート新日本化成株式会社

2008/02/21

TDB企業コード:581103426 兵庫県丹波市 合成樹脂シート製造 事後処理を弁護士に一任、自己破産申請へ 負債40億円

「兵庫」 既報、新日本化成(株)(資本金4920万円、丹波市青垣町沢野80-3、代表鈴木敏夫氏、従業員67名)は、このほど事後処理を藤山利行弁護士(大阪市北区西天満1-11-20 イトーピア西天満ソアーズタワー1303、電話06-6315-7035)に一任、自己破産申請の準備に入った。

 当社は、1983年(昭和58年)7月設立。ポリプロピレンシート(構成比50%)、PETシート(40%)、ポリスチレンシートなど各種合成樹脂製シートの製造を手がけ、関連する専門商社を主力販路としていた。光触媒コーティング技術の確立による製品開発や、カラーPETシート、ペパレスシート、成形工程から発生するトリミングロスを再利用した多目的容器「ハコニン」の開発など、技術力には相応の評価を得ていた。

 積極的な設備投資で製造量を拡大し、2003年9月期は年売上高約62億8400万円をあげていたが、設備投資に伴う減価償却やリース料の支払負担で収益は低位で推移。また、近年は樹脂原料であるナフサの価格上昇によって仕入れコストが上昇する一方、食品トレーなど末端製品の価格転嫁が進まず一段と収益環境が悪化。2006年9月期は年売上高約51億4000万円に落ち込み、3期連続欠損を計上していた。

 こうしたなか、主力得意先である大手商社との取引関係を強化することで販路を確保してきたものの、資金繰りが悪化した当社の窮状を救うため同社との間で架空売上げの計上といった不適切な取引が行われてきた。これが昨年12月に商社側の内部調査で発覚し取引が中止され、今年に入ってからはその他の取引先にも警戒感が広がり、資金繰りのメドが立たず1月31日事業所を閉鎖、2月12日に全従業員を解雇していた。

 負債は保証債務を含め40億円を上回る見込み。