レポート株式会社スピード

2008/01/31

TDB企業コード:581913678 大阪府枚方市 酒類ディスカウントストア「スピード」経営 民事再生法の適用を申請 負債100億円

「大阪」 (株)スピード(資本金1億円、枚方市津田山手1-43-20、代表中村明氏、従業員114名)は、1月31日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日、保全命令を受けた。

 申請代理人は松田親男弁護士(大阪市北区西天満4-3-25、電話06-6364-3265)。監督委員は密克行弁護士(大阪市中央区高麗橋2-5-10、電話06-6221-0460)。

 当社は、1999年(平成11年)1月設立。99年7月に兵庫県宝塚市で酒類を中心に清涼飲料水・各種商品・米穀・医薬品などを扱うディスカウントストア「スピード 宝塚山本店」を出店。以降、大阪府内を中心に、京都・兵庫・滋賀にドミナント出店を開始、2007年3月には千葉県松戸市に「スピード 松戸栄町店」をオープンし、関東圏にも進出していた。

 現在は、「スーパーディスカウントストアー スピード」51店舗、100円均一ショップ「ダイソー&SPEED」3店舗、焼肉店1店舗、カフェレストラン1店舗をロードサイド、駅前、大型ショッピングセンター内に展開。「スーパーディスカウントストアー スピード」の過半数の店舗で100円均一ショップ最大手の(株)大創産業(東広島市)が展開する「ダイソー」ショップとの共同出店の形態をとることで、同業他社との差別化を図っていた。

 出店ペースを加速させたことで売上高が伸長、2006年3月期の年売上高は約119億4700万円、2007年3月期は約154億3900万円と急拡大を遂げていた。また、最近はグループで新規事業にも進出、2007年5月と12月に食品スーパー2社を代表中村明氏個人が買収し、食品スーパーの経営にも乗り出していた。

 しかし、酒類需要の低下や個人消費の低迷に加え、急激な店舗展開や新規事業進出による資金負担から借入金の増加を招き、売上高の伸長に資金繰りが追いつかず多忙化。そのため、不採算店舗の閉店や社債発行による資金調達、仕入先に対する支払サイト延長要請で手元資金の確保を図っていたが奏功せず、1月末の決済難から今回の措置に至った。

 負債は2007年3月期末時点で約100億円。