レポート新田鋼材株式会社など2社

2008/01/16

TDB企業コード:600001766 広島県広島市西区 スキー場経営、鋼材販売 特別清算を申請 負債66億円

「広島」 新田鋼材(株)(資本金2520万円、広島市西区庚午北1-14-27、代表清算人石井寿夫氏)と関連会社の森林計画(株)(資本金1000万円、同所、同代表清算人)は、2007年12月14日開催の株主総会で解散を決議していたが、1月11日に広島地裁へ特別清算を申請した。

 申請代理人は、西村直樹弁護士(大阪市北区堂島1-1-5、弁護士法人大江橋法律事務所、電話06-6341-0461)ほか1名。

 新田鋼材(株)は、1916年(大正5年)8月創業、39年(昭和14年)2月に法人改組された鋼材販売業者。各種鋼材を扱い、地元建設会社などを得意先として営業基盤を築いていた。また、86年には約17億円を投下して島根県邑南町に「瑞穂ハイランドスキー場」を開設、同年10月には、関連会社の森林計画(株)を設立してスキー場の運営にあたり、当社はスキー場設備の所有会社として賃貸収入を得ていた。スキー場は高速道路からのアクセスもよく、広島県下でも屈指の規模を誇るスキー場として人気を集め、97年1月期には年収入高約16億5000万円を計上していた。

 近年は、競合激化により鋼材販売部門の売り上げが伸び悩み、2006年7月期(97年7月に決算期変更)の年売上高は約9億2000万円にとどまっていた。また、スキー場への追加投資の発生などにより借入金が膨らんでいたうえ、森林計画(株)もスキー市場の縮小や近隣施設との競合によりピーク時には25万人に上った利用者も11万人に減少して収入は伸び悩み、グループ全体で多額の負債を抱えて経営不振に陥っていた。

 こうしたなか、抜本的な経営改善策として会社分割を行うとともに、東京の不動産金融会社が当社の事業を買収する再生計画を策定。新田鋼材(株)及び森林計画(株)は会社分割され、新設会社である新田鋼材(株)(広島市西区庚午北1-14-20)、瑞穂リゾート(株)(広島市西区庚午北1-14-27)がそれぞれ鋼材販売事業、スキー場の運営事業を継承して、旧・新田鋼材(株)および森林計画(株)は清算する準備を進めていた。

 負債は、新田鋼材(株)が約40億円、森林計画(株)が約26億円で、2社合計では約66億円。

 なお、スキー場の運営事業及び鋼材販売事業は、会社分割時に新設会社へ譲渡され、いずれも営業を継続しており、今回の破たんによる影響はない。