レポート山陰食鶏農業協同組合など4社

2007/10/29

TDB企業コード:680017845 鳥取県米子市 鶏肉加工、販売 民事再生法の適用を申請 負債37億3700万円

「鳥取」 山陰食鶏農業協同組合(出資金2億4660万3000円、米子市淀江町中間17、理事長村上古志夫氏、従業員149名)と関連会社の山陰食鶏(株)(資本金8738万円、米子市淀江町中間558-1、代表村上博章氏、従業員14名)、山陰畜産(株)(資本金1200万円、米子市淀江町中間16-2、同代表、従業員29名)、山陰ブロイラー販売(株)(資本金1200万円、米子市淀江町中間558-1、同代表、従業員28名)の4社は、10月26日に鳥取地裁米子支部に民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。

 申請代理人は安田寿朗弁護士(安田法律事務所、米子市東町296、電話0859-33-1019)。

 「山陰食鶏グループ」として、山陰食鶏農業協同組合は、1960年(昭和35年)8月に設立。山陰食鶏農業協同組合が生産農家に対する飼料供給、孵卵、食鶏の加工を行い、山陰食鶏(株)は飼料の仕入れやブロイラー製品販売を、山陰畜産(株)が雛から成鳥までの生産を担当、山陰ブロイラー販売(株)がブロイラー(食肉用若鶏)を専門店や一般消費者に販売していた。グループ4社で羽数による全国生産シェアは1%内外(約571万羽)で、中でも中国地区最高峰「大山」周辺の環境の良い高原で養鶏した「大山どり」は年間約7万羽を生産、関西、関東地区で販売し鳥取県ブランドとして人気があった。

 2003年3月期にはグループの純売上高(内部取引除く)は約49億2200万円計上していたが、その後ブロイラーの生産過剰で相場が低下、2005年に委託先の一部養鶏生産組合が離脱し生産羽数、収益とも低下した。2006年2月には購入飼料に規定以上の抗生物質が混入していた飼料事故の影響で製品の出荷停止、回収など不測の事態が発生。

 また、2006年後半からは飼料原料穀物の車燃料(エタノール)向け需要増で飼料価格が高騰し、収益低迷から金融機関に対する返済猶予を受けるなどしていた。2007年3月期のグループ純売上高(内部取引除く)は約42億9500万円にまで低下し、飼料事故の補填金の収入があったものの、グループ連結では債務超過の状態が続いていた。こうしたなか、物流費や経費削減に努めていたが、今期に入っても飼料価格の高騰から採算割れの状態が続き、11月の支払いが困難となり今回の措置となった。

 負債は、山陰食鶏農業(協)が約15億6200万円、山陰食鶏(株)が約11億700万円、山陰畜産(株)が約6億6700万円、山陰ブロイラー販売(株)が約9億3300万円で、4社合計では約42億6900万円。