レポート

株式会社近未來通信

2006/12/20

TDB企業コード:987727957 東京都中央区 IP電話中継局投資 破産手続き開始決定受ける 負債200億円

「東京」 既報、(株)近未來通信(資本金6540万円、中央区日本橋浜町2-31-1、代表石井優氏)は、12月6日までに中継局投資家など債権者より、東京地裁へ破産を申し立てられていたが、12月20日に同地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は鈴木銀治郎弁護士(千代田区麹町2-14-2、電話03-3264-0975)。

 当社は、1997年(平成9年)12月に毛皮コート、ジュエリー等の販売を目的に(有)エクセルジャパンの商号で設立。98年8月に有限会社から株式会社へ組織変更すると同時に、インターネットを利用したIP電話のサービスを開始し、商号を(株)新日本通信に変更。その後、同年12月に現商号の(株)近未來通信に変更した。

 代表個人でプロ野球マスターズリーグ「札幌アンビシャス」のスポンサーや、2006年3月には女子ゴルフトーナメント「近未來通信クイーンズオープン」のスポンサーとなるなど、新聞・雑誌などマスメディアを活用して中継局のオーナーを大々的に募集していたが、一部からは事業内容に不審点があると指摘されていた。

 今年8月には約1億7000万円の所得隠しを東京国税局から指摘され、夏以降、取引業社への支払や中継局のオーナーへの配当の遅れが表面化。代表の自宅も仮差押えを受けていた。

 さらに、11月22日には都税を滞納していたとして東京都税事務所の捜索を受け、11月30日には総務省が立入検査の結果を発表。国内外112個所に設置されたサーバ2466台のうち、総務省が稼動を確認できたのは僅か2台と判明。12月4日には警視庁が詐欺容疑で本支社などを家宅捜索していた。

 負債は、流動的だが200億円を超える見込み。