レポート株式会社アドテックス

2006/04/13

TDB企業コード:201282034 東京都港区 コンピュータ関連製品の製造販売 大証ヘラクレス上場 民事再生法を申請 負債149億5100万円

「東京」 大証ヘラクレス上場の(株)アドテックス(資本金22億7776万1399円、港区港南2-18-1、代表前田大作氏、従業員67人)は、4月13日に東京地裁へ民事再生法を申請した。

 申請代理人は稲見友之弁護士(千代田区平河町1-6-15、電話03-3261-1411)ほか。監督委員は奥田洋一弁護士(千代田区丸の内1-6-5、電話03-5223-7777)。

 当社は、1993年(平成5年)7月に日本アイ・ビー・エム(株)の生産技術部門が独立する形で設立。当初は、同社の下請けとしてHDDの検査業務を手がけていたが、95年頃よりストレージ(外部記憶装置)事業に本格参入。その他、システム構築などのソリューション事業も手がけ、2001年12月には大証ナスダックジャパン市場(現・ヘラクレス)に株式上場を果たし、2003年12月期には年売上高約131億7800万円を計上していた。

 しかし、2004年同期の年売上高は約118億8600万円まで減少、貸倒引当金繰入、有価証券評価損、固定資産除却損などから約7億6600万円の当期損失を計上していた。同期よりゴーイングコンサーンが付記され財務の改善が課題となっていた。

 こうしたなか、2005年10月に予定されていた約49億円の第三者割当増資が白紙撤回を余儀なくされる事態となったうえ、約50億円の売り上げを見込んでいたジャパンワイヤレス(株)向けの事業において同社大株主である平成電電(株)が倒産したことなどから計画が頓挫、2005年同期の業績予想の下方修正を強いられていた。

 さらに資金調達難から、同年12月に予定していた50億円規模の社債の繰り上げ償還ができなかった。今年1月には新たな資金調達のスキームが合意に達し、14億5000万円を調達。しかし、3月16日に予定されていた2回目の資金調達が出来ず一気に信用不安が拡大。この間、決算発表の延期が度重なったうえ、4月には資金調達に関わる契約が解除となるなど、資金繰りはさらにひっ迫、今回の措置となった。

 なお、今年に入って上場企業の倒産は初めてとなる。

 負債は2006年2月末時点で約149億5100万円。