レポート日本イリジウム株式会社

2006/01/26

TDB企業コード:984564259 東京都千代田区 衛星携帯電話サービス 自己破産を申請 負債101億円

「東京」 KDDI(株)(千代田区、東証1部)の子会社である日本イリジウム(株)(資本金260億円、千代田区麹町4-8、清算人安田芳治氏)は、1月25日に東京地裁へ自己破産を申請した。

 申請代理人は谷口正嘉弁護士(中央区銀座4-2-12、電話03-5159-8183)。

 当社は、1993年(平成5年)4月、米国モトローラ社が提唱した衛星を使用する携帯電話事業「イリジウム計画」の日本側の受け皿会社として設立された。第二電電(株)(現・KDDI)や京セラ(株)をはじめとする18社が出資していた。

 「イリジウム計画」は、地上780km上空の軌道に66機の衛星を打ち上げ、山岳地帯や海洋など電話網が未発達な国々でも高品質の通信が可能とされ、船舶などのほか非常災害時の通信手段といった公共目的への応用が期待されていた。97年5月には、同計画の運営会社である米国イリジウム社によって、最初の衛星打ち上げに成功。その後、準備を進め、99年1月には本格サービスを開始していた。

 しかし、地上波使用の携帯電話の普及に加えて、イリジウムの価格面の影響から、当初より加入者数が目標を大幅に下回る事態となっていた。こうしたなか、99年8月には米国イリジウム社も経営不振からチャプターイレブンの適用を申請。

 当社は、2000年3月上旬には新規契約の受付を停止し、同年3月31日開催の株主総会の決議により解散していた。

 負債は2005年3月31日時点で約101億円。

 なお、KDDI(株)は、当社に関する出資および債権については2000年3月期ですでに全額償却済であり、今期の業績予想与える影響ないとしている。