レポート株式会社アトリエワールド

2005/11/30

TDB企業コード:580741111 大阪府吹田市 理美容店舗設計施工、同器具販売 三洋電機クレジットの子会社の融資先 民事再生法を申請 負債80億円

「大阪」(株)アトリエワールド(資本金1億6200万円、吹田市江坂町1-23-43、登記面=大阪市北区天神橋3-1-20、代表河田安弘氏、従業員40人)は、11月30日に大阪地裁へ民事再生法を申請し、同日保全命令を受けた。

 申請代理人は上甲悌二弁護士(大阪市中央区北浜3-6-13、電話06-6202-3355)ほか。監督委員は密克行弁護士(大阪市中央区高麗橋2-5-10、電話06-6221-0460)。

 当社は、1969年(昭和44年)6月に創業、72年(昭和47年)9月に法人改組した理美容店舗設計施工、同器具販売業者。物件を当社が賃借して新規経営者に6年間リースする「店舗レンタルシステム」を開発。同システムは、理美容院の新規開店に際して資金支援から運営ノウハウの提供、店舗の内装設計及び施工、アフターサービスなど理美容院経営にトータルでサポートするもので、実績は1200店舗を超える積極的な事業展開となっていた。

 このほか、既存店舗の改装工事や付随する椅子・洗髪台などの理美容設備器具類の販売なども手がけ、理美容院の市場調査から店舗経営まで幅広くサポートする独自のノウハウを有し、2000年9月期の年売上高は約47億500万円を計上していた。

 しかし、最近では独立開業者が減少する一方、既存店舗の経営者が店舗展開を図る際、独自に金融機関から資金調達を行うケースが増え、以降、業績はジリ貧傾向となり、2004年同期の年売上高は約35億4500万円にまでダウン。経理処理の変更に加えて販売価格の下落もあり、同期で営業赤字に転落していた。

 このため、人件費の削減などリストラ策を進めていたが、理美容院とのローン契約で提携及び支援を行っていた(株)三洋倶楽部(大阪市中央区、三洋電機クレジット(株)の子会社)などが、三洋電機グループの経営再建問題に絡み、これ以上の支援は困難と判断したことから、自主再建を断念した。

 負債は約80億円。

 なお、三洋電機クレジットは、当社に対して子会社3社が合計19億6400万円の取立不能または取立遅延のおそれが生じたと発表しているが、業績予想に変更はないとしている。