レポート

学校法人多々良学園

2005/10/26

TDB企業コード:640080414 山口県防府市   高等学校運営 民事再生法を申請 負債71億円

「山口」 (学)多々良学園(資産の総額25億7521万6763円、防府市台道3635、中村見自理事長)は、10月26日に東京地裁へ民事再生法を申請し、同日保全命令を受けた。

 申請代理人は荒井俊行弁護士(東京都中央区京橋1-2-5、電話03-3274-3805)ほか4名。

 当法人は、1878年(明治11年)2月に曹洞宗山口専門学支校として山口町(現山口市)に創立された。1948年には新制高等学校の開設に伴い「多々良学園高等学校」に改称し、56年(昭和31年)3月に法人改組された。75年には付属幼稚園を併設したほか、クラブ活動にも力をいれ、野球部は甲子園出場経験もあり、サッカー部は全国高校サッカー選手権大会でも常連校となっていた。

 近年は少子化対策として、2003年度より普通科と総合学科の2学科制をとるほか2004年4月には総事業費約90億円をかけて、防府市台道地区にキャンパスを移転校舎、講堂、寮、体育館、専用野球場、専用サッカー場など大学並みの設備を備え、男女共学校として新たなスタートを切っていた。

 しかし、この新校舎移転資金については約70億円を金融機関から借り入れ、その返済については寄付金・助成金にて賄う資金計画であったが、予定していた寄付金が集まらず、多額の借入金返済のため急速に資金繰りは悪化。

 2005年4月以降は建物工事代金の支払いを棚上げするなどでしのいできたが支え切れず、事業を継続して再建を図る目的から民事再生法の申請となった。

 負債は約71億円(うち金融債務は約65億円)。

 なお、私立高等学校経営の学校法人が民事再生法を申請するのは全国で初めて。