レポート株式会社東北けやき商会

2005/10/14

TDB企業コード:100518711 宮城県仙台市青葉区 元・弁当・惣菜製造販売、ホテル経営 特別清算開始決定受ける 負債84億1500万円

「宮城」 (株)東北けやき商会(旧商号=(株)伯養軒、資本金1億円、仙台市青葉区中央1-10-25、清算人澤野正明弁護士)は、10月14日に仙台地裁へ特別清算を申請し、同日特別清算開始決定を受けた。

 申立人は澤野正明弁護士(東京都千代田区丸の内2-2-2、電話03-6212-5500)。

 当社は、江戸時代末期の1850年(嘉永3年)に旅館業を目的に創業、150年以上の歴史を誇る老舗の旧・(株)伯養軒を、別途2002年4月に関係会社の伯養エンタープライズ(株)(1994年9月設立、不動産賃貸)に吸収合併、同時に(株)伯養軒へ商号変更したもの。

 旧・(株)伯養軒は、1890年に仙台駅で弁当の立売営業を開始し、1896年には仙台駅前に洋式名門ホテル「仙台ホテル」をオープンしたことで知られ、弁当・惣菜製造のほか、東北各地のJR駅構内の売店やレストランのほか、官庁・学校・企業向け食堂を運営するフードサービス事業と、「仙台ホテル」を経営するホテル事業を主力とし、ピーク時の93年12月期には年売上高約199億5400万円を計上していた。

 しかし、個人消費の低迷や民間企業の経費節減傾向により年々売り上げは減少し、2002年の合併後、現法人となった2005年3月期は年売上高が約83億1600万円にまでダウン。大幅な赤字を計上するほか、ホテルなどに対する多額の設備投資により年商を上回る有利子負債を抱え、経営難に陥っていた。

 このため、営業譲渡による事業再生スキームが策定され、今年6月にはフード事業を(株)ウェルネス伯養軒(名取市、JASDAQ上場の(株)グリーンハウスの子会社)へ、ホテル事業を(有)アールアンドジェイ仙台へそれぞれ営業譲渡し、大半の従業員を移管したうえで東北地区の各支店を閉鎖、7月には現商号を変更していた。

 営業譲渡のメドが立ち、当社は9月までに営業を停止し、金融債務を中心とした残債の処理を目的に今回の措置となった。

 負債は約84億1500万円。