レポートイカリソース株式会社

2005/05/24

TDB企業コード:580083131 大阪府大阪市福島区 ソース・食品製造販売 会社更生法を申請 負債54億5800万円

「大阪」 イカリソース(株)(資本金3億5000万円、大阪市福島区福島3-1-59、代表川島義鷹氏、従業員132人)は、5月24日に大阪地裁へ会社更生法を申請し、同日保全命令を受けた。

 申請代理人は中井康之弁護士(大阪市中央区北浜2-3-9、電話06-6201-0361)。保全管理人には佐々木豊弁護士(大阪市中央区北浜2-1-3、電話06-6223-1713)が選任されている。

 当社は、1896年(明治29年)6月創業、1940年(昭和15年)3月に法人改組されたソースなど各種調味料の製造業者。100年以上の業歴を誇る老舗で、本格的ソースとしては国産第1号である「錨印ソース」を製造したことが社名の由来。食生活の洋食化に伴う需要の増加にも支えられて順次業容を拡大、西日本を中心に全国に販売ルートを構築し、「イカリ」ブランドは幅広く浸透していた。お好み焼、焼きそば、とんかつ等のウスターソース類(70%)を主体に、ごま、ケチャップ、ホワイトソース、デミグラスソースなどを取り扱い、積極的な商品開発によりピーク時には約420アイテムを展開、97年11月期には年売上高約80億7600万円を計上していた。

 しかし、消費低迷に伴う売価の低下や同業者との競合激化に加え、関係会社への資金流出もあって収益は悪化、98年同期には約3億6900万円もの大幅な欠損計上を余儀なくされた。このため、近年は大規模なリストラに着手、98年8月には九州工場を閉鎖し、人員削減にも取り組む一方、商品アイテム数を約220にまで絞り込んでいた。

 こうしたなか、資金援助など深い関係のあった一冨士フードサービス(株)(現・アイフード(株)、2003年11月民事再生法、のちに会社更生法へ移行)の倒産で、数10億円もの巨額資金の不透明な流れが指摘されるなどしたため、信用不安が拡大していた。そのため、2004年3月に経営コンサルタントと提携して立て直しを図るほか、新商品の「ごま工房」、特定アレルギー物質不使用の「やさしさブレンド」を投入し、業績は回復基調に転じていた。

 ところが、今年5月18日に代表取締役だった木村敏氏が産業廃棄物処理機械の価格を偽り、リース会社に損害を与えたとして、関係者7名と共に詐欺容疑で逮捕されたことで対外信用が失墜。百貨店やスーパーで商品の撤去が相次ぐなど売り上げは急激に落ち込み、決済難から今回の措置となった。

 負債は約54億5800万円だが、他に簿外債務がある可能性もある。

 なお、ブルドックソース(株)(東証2部上場、東京都中央区、池田章子社長)が、当社に対し支援の意向を表明している。