レポート水間鉄道株式会社

2005/04/30

TDB企業コード:570035426 大阪府貝塚市 鉄道業 会社更生法を申請 負債140億円

「大阪」 水間鉄道(株)(資本金2億円、大阪府貝塚市二色中町5-1、代表下川勉氏、従業員54人)は、4月30日に大阪地裁へ会社更生法を申請し、同日保全命令を受けた。

 申請代理人は今口裕行弁護士(大阪市北区西天満4-8-2、電話06-6365-7024)。保全管理人には、木内道祥弁護士(大阪市北区西天満3-13-18、電話06-6363-0391)が選任されている。

 当社は、1924年(大正13年)5月に水間観音(貝塚市)への参拝客輸送を目的として設立、翌1925年に営業を開始した。50年(昭和25年)には乗合バス事業、51年(昭和26年)には貸切バス事業の免許を取得、さらに54年(昭和29年)にはタクシー事業(後に子会社化)を手がけるほか、79年(昭和54年)には大阪府からの依頼を受けて養護学校の生徒送迎も開始していた。主力の鉄道路線は、貝塚駅から水間駅までの全長5.5km(全10駅)を14分で結ぶミニ私鉄で、通称「すいてつ」の愛称で地元住民に親しまれ、97年3月期は年収入高約22億1500万円をあげていた。

 しかし近年は、乗客数の減少から業績の低下を余儀なくされ、2004年同期の年収入高は約6億7000万円にまで減少。加えて、バブル期に手がけた住宅開発投資に伴う失敗から多額の借入金を抱え債務超過となっていた。

 このため、自転車の持ち込みが可能なサイクルトレインの運行など、乗客の引き止めに向けた努力を続けてきたものの、本業外への過大な投資から金融機関の支援の足並みも揃わず、今回の措置となった。
 
 負債は、債権者170名に対し約140億円。