レポート株式会社エビス化成

2005/04/06

TDB企業コード:580950247 大阪府大阪市淀川区 インテリアクッション製造 事業停止、自己破産申請へ 負債48億円

「大阪」 (株)エビス化成(資本金2400万円、大阪市淀川区西中島4-9-28、代表石田喜信氏、従業員150人)は、4月6日に事業を停止した。

 現在、事後処理を山本淳弁護士(大阪市中央区北浜2-3-9、電話06-6201-4456)に一任しており、自己破産申請の準備中。

 当社は、1962年(昭和37年)2月に設立。家電向け緩衝材や食品向け保冷箱など発泡スチロールの成型加工を主業としていたが、4年ほど前からインテリアクッション(ビーズクッション)の製造に転換して以降は業績が急伸。主力ブランド「モグ」をはじめ7つの自社ブランドを有し、スーパー、コンビニ、通販業者向けなどに販路を開拓、吉川工場(兵庫県美嚢郡)の新設・稼動が寄与した2002年同期には年売上高約44億9400万円を計上していた。

 特に主力商品のビーズクッションは、自社開発の発泡ポリスチレン製超微粒子ビーズを使用し、「癒しを与えるクッション」としてマスコミにも多く取り上げられたことで人気を博していた。2003年以降はアメリカでの販売子会社や中国での生産子会社を順次設立するなど積極的な展開を見せていたが、ブームが一段落したことや中国からの安価な類似品の流入により、2003年同期の年売上高は約30億6700万円にまで減少。設備投資に伴う借入金の増加が負担となり財務面を圧迫するなか、インテリア家具やキャラクター商品などに注力し、立て直しに努めていた。

 2004年同期には年売上高約48億2700万円と持ち直したものの、海外子会社への無理な販売など実質的な業績の回復は見られず、資金の固定化から繰り回しは悪化。近時は、一部支払い延期要請を行う一方、ベンチャーキャピタルなどに対し10億円程度の増資要請を行っていたが不調に終わり、今回の措置となった。

 負債は2004年12月期末時点で約48億円。