レポート株式会社ニノミヤなど2社

2005/01/11
倒産速報

TDB企業コード:580060511 大阪府大阪市浪速区 大手家電量販店 債権者より会社更生法を申し立てられる 負債306億円

(株)ニノミヤ(資本金15億3992万円、大阪府大阪市浪速区日本橋4-9-17、登記面=大阪市浪速区日本橋4-11-15、代表二宮祥晃氏、従業員614人)と、グループ会社の二宮興産(株)(資本金4000万円、同所、同代表)は、1月10日に債権者のモルガン信託銀行から大阪地裁へ会社更生法を申し立てられ、同日保全管理命令を受けた。
 
 申請代理人は田端晃弁護士(大阪市北区西天満2-9-14、電話06-6365-1013)。保全管理人は中井康之弁護士(大阪市中央区北浜2-3-9、電話06-6201-4456)。
 
 (株)ニノミヤは、1932年(昭和7年)に「二宮無線電機商会」の屋号で電子パーツの卸売を目的に創業、1947年(昭和22年)11月に法人改組し、87年9月に(株)二宮無線電機商会から現商号へ変更した。

 大阪の家電街である日本橋を中心に大阪府下や近畿全域、岡山県下に出店し、90年ごろから総合家電販売店に加えて『PCXtown』『電脳ザウルス』などパソコン・同附属品専門店を多数開設し、90年2月期には年売上高500億円を突破。その後も順調に売上を拡大し、98年には同業者7社と全国的な家電共同販促組織『MACSグループ』を結成し、ピーク時の2001年3月期には年売上高約964億3900万円をあげていた。
 
 関西系の家電量販では第3位の売り上げ規模であったが、PC需要の失速や関東系の大手家電量販店の関西進出で、売上高、収益性が急激に悪化。2003年同期の年売上高は約654億5900万円にとどまり、仕入割引(リベート)効果で2期ぶりの経常黒字を計上したものの、日本橋店舗の再編などで当期損失は約17億7500万円にのぼっていた。 
 
 この間、中期経営計画「ニューフロンティア21計画」を策定し、抜本的な店舗スクラップ・人員削減を実施、経営再建に着手していたが、日本橋地区の地盤沈下、PC需要の失速に歯止めが掛からず、2003年秋頃から本格的に同業者等に資本提携を含めた支援要請を行っていた。

 しかし、条件面での折り合いがつかず、2004年年初に交渉が頓挫、金融機関への約定弁済も滞る事態となった。その結果、2004年8月にはメーンバンク、同年10月にはサブメーンバンクが貸出債権を外資系サービサーに譲渡、事実上、支援が打ち切られる事態となり、信託譲渡により債権を取得したモルガン信託銀行が債権者として会社更生法を申し立てた。

 二宮興産(株)は、1966年(昭和41年)8月にニノミヤの関連会社として、不動産取得及び不動産管理を目的に設立。店舗用ビル及び駐車場用地の賃貸業務を手がけ、2003年9月期の年収入高は約1億6000万円を計上していた。

 負債はニノミヤが約279億円、二宮興産が約27億円で2社合計では約306億円。

 なお、1月11日、モルガン信託銀行よりニノミヤ・二宮興産2社に対する債権の回収業務を受託している(株)虎ノ門債権回収は、現時点でのスポンサー候補として(株)エディオン(東証・名証1部上場)、(株)ミドリ電化、(株)オー・エンターテイメント(東証・大証1部上場の(株)オークワの持分法適用関連会社)の3社を、選定したと発表した。

 また、ニノミヤの店舗は、1月14日まで棚卸しのため全店舗閉鎖するが、同15日より前出の3社から商品供給を受け、全店舗営業再開を予定している。