レポート株式会社ジャパンメディアネットワーク

2004/01/20

TDB企業コード:987802381 東京都港区 携帯電話サービスを手がけるベンチャー企業 自己破産を申請 負債20億円

「東京」 (株)ジャパンメディアネットワーク(資本金5億4500万円、港区西新橋2-8-6、代表岩田誠一氏)は、1月19日に東京地裁へ自己破産を申請した。

申請代理人は緒方道夫弁護士(港区虎ノ門2-6-4、電話03-3500-4345)。

当社は、1998年(平成10年)8月に設立された後、直ちに休眠状態となったものを、2002年(平成14年)10月に現代表が買収、再開したもので、携帯電話サービスを計画し販売代理店を募っていた。

当社が計画していた携帯電話用アダプター「モブデム」は、全ての携帯電話キャリア・機種に対応し、アダプターを電源部分に装着することで、毎月定額の料金を支払うことで通話料が全て無料になるというもの。

しかし、開発段階よりマスコミや専門紙から技術・サービス内容が疑問視されていたうえ、2003年2月には、国内通信キャリアとのサービス展開が困難を余儀なくされたため、入会会員に対してサービス内容の変更を行い、再度会員募集を行ったことで会員数が大幅に減少するなど当初よりその先行きが懸念されていた。

大手通信機メーカーに販売予定であったIP固定電話も同業者との価格競争等から販売が先送りになっていたことで、売り上げは防犯監視システムのみとなり、2003年4月から同年7月(4ヵ月間)にかけての売上高は約1億1800万円と当初予定を大きく下回り、約4億2700万円の当期赤字を余儀なくされていた。

2003年7月には海外大手キャリアとの提携を行い、海外の通信設備を経由することで定額無料通話サービスを行える「国際コールバック電話」の展開が可能になっていたが、10月には親会社が同社の経営から撤退していたうえ、従前に行っていた通信設備工事代金約7億円が未払いとなりトラブルに発展するなど信用が低下していた。

その後も販売代理店や顧客から初期費用や販促代金を集め続け、2003年12月1日にはようやく「モブデム」のサービスをスタートさせたが、昨年末に回線強化の増強工事を行うため回線が制限される旨を発表した後、サービスが停止。2004年1月19日には事務所を閉鎖し、連絡が取れない状態となっていた。

負債は債権者約4000名に対し約20億円だが、今後さらに膨らむ見込み。