レポート株式会社トーゴ

2004/01/19

TDB企業コード:985535752 東京都台東区 遊園地「浅草花やしき」経営 RCCより会社更生法を申し立てられ、保全命令受ける 負債82億円

「東京」 遊園地「浅草花やしき」を経営する(株)トーゴ(資本金2億円、台東区浅草2-28-1、代表山田朋一氏、従業員70人)は、1月19日に債権者の整理回収機構(RCC)より東京地裁へ会社更生法を申し立てられ、同日保全命令を受けた。

 保全管理人は渡邊顯弁護士(港区虎ノ門4-3-1、電話03-5405-4080)。

 当社は、1935年(昭和10年)創業、49年(昭和24年)6月に東洋娯楽機(株)の商号で法人改組された。49年に遊園地「浅草花やしき」の直営を始め、84年現商号に変更した。

 “花やしき”はもともと1853年(嘉永6年)に牡丹と菊細工を主とした花園としてオープン。明治時代初めの頃より遊戯施設が設置され、震災や戦禍による閉園を経て、当社により遊園地として再開された経緯がある。1953年には日本初のコースターを設置するなど、同遊園地は浅草の名物として知られる存在として、年間40万人の来園者を有していた。

 トーゴは「浅草花やしき」のほか、92年には5年契約で神戸ポートアイランドにて直営遊園地「アリバシティ」をオープンするなど、遊園地やゲームセンター、アミューズメント施設の運営受託のほか、ジェットコースターやメリーゴーランド、観覧車などの設計・製作、設置工事を手がけていた。

 特に、直立した状態で乗るスタンディング・コースターの開発などのノウハウには定評があり、特許を数多く取得するなど高い技術評価を得て、92年7月期には年収入高約115億9000万円を計上していた。

 近年は来園者数の減少から赤字決算が続いていたことや、採算割れの大型遊戯施設の受注から業績は低迷、不採算営業所の閉鎖や主力事業の設計、製造、施工販売部門を縮小するなど立て直しを図っていた。

 しかし、2002年同期の年収入高は約34億6700万円に落ち込み、米国の現地法人を清算したことなどから約45億8200万円の最終赤字となっていたうえ、2002年から2003年にかけて金融機関の借入金が整理回収機構(RCC)へ譲渡されていた。

 こうした状況下、RCCは私的整理や民事再生法による企業再生を目指したが、会社側とRCCとの交渉は難航、裁判所の関与の下で事業再建を進めるべく、今回の申し立てに至ったもの。

 負債は約82億円。