レポート

日本新都市開発株式会社

2003/08/01

TDB企業コード:985656051 東京都千代田区 大規模宅地開発 特別清算を申請 負債806億円

日本新都市開発(株)(資本金14億5000万円、東京都千代田区内幸町1-3-6、清算人今井和男弁護士、従業員27人)は、7月31日開催の臨時株主総会で解散を決議し、8月1日に東京地裁へ特別清算を申請した。
同社は、1966年(昭和41年)8月に当時の経済同友会の幹部有志が発起人となって、地域開発を目的に大手企業、金融機関など約70社からの出資を得て設立された。ニュータウン開発を主体に宅地造成、一戸建住宅、中高層マンションなど大規模住宅開発を手がけるデベロッパーとして、埼玉県内の「鳩山ニュータウン」や「所沢ニュータウン」などの実績を持っていた。特に、バブル期の不動産ブーム到来にともない、メーンバンクの旧・日本興業銀行(現・みずほコーポレート銀行)からの積極的な資金調達で業容を急速に拡大。ピーク時の96年3月期には年売上高約877億6000万円を計上していた。
しかし、従来から大型物件の比率が高く、長期に亘るプロジェクトも多いことから借り入れへの依存度は高く、またこの間の93年には兵庫県宝塚市の宅地開発を手がけていたエーコー産業(株)(大阪府)に対し、関係会社経由の貸付金約260億円が回収困難となるなど大口の不良債権も発生。バブル崩壊後は不動産市況の低迷によって業績が急速に悪化し、99年同期の年売上高は約435億3800万円にダウン、また有価証券売却損などを特別損失に計上したことで200億円近い当期損失を計上していた。
このため99年には、旧・興銀を中心に5ヵ年の再建スキームを策定、在庫不動産の処分を行うことや、新規事業を(株)ニューシティコーポレーション(2000年7月設立)へ移行することで処理を進めることになった。さらに、2001年12月には旧・興銀と整理回収機構(RCC)以外の金融機関19行が保有する債権1383億円をRCCに信託し、旧・興銀とRCCが当社の在庫不動産をマンション開発などで回収していく方針が明らかにされていた。
その後、2002年同期の年売上高は約59億2700万円にまで減少、不動産売却損から500億円近い当期損失となったことで、大幅な債務超過となっていた。こうしたなか、2002年11月にはメーンバンク主導で(株)ニューシティコーポレーションを米国企業へ売却するほか、在庫処分など整理を進めてきたが、ここへきて処分の目途がついたことから今回の措置となった。
負債は約806億円(保証債務約31億円を含む)。