レポート宗教法人伊勢山皇大神宮

2003/04/08

TDB企業コード:200110803 神奈川県横浜市西区   神奈川県では屈指の神社 破産宣告受ける 負債85億6559万円

「神奈川」 宗教法人伊勢山皇大神宮(基本財産の総額1921万4050円、横浜市西区宮崎町64、代表小野崇之氏)は、3月27日に横浜地裁へ自己破産を申請し、4月7日に同地裁より破産宣告を受けた。

 破産管財人は尾立孝司弁護士(横浜市中区尾上町3-46、電話045-641-6848)。

 債権届け出期間は5月6日までで、債権者集会及び債権調査期日は7月15日午前10時30分。

 伊勢山皇大神宮は、1870年(明治3年)5月に、三重県伊勢の皇大神宮を神奈川県内に奉祠するため神奈川県が中心となり創建され、1953年(昭和28年)9月に宗教法人化された、神奈川県内屈指の伝統を誇る神社で、「関東のお伊勢さま」として親しまれていた。

 91年3月に、約87億円を投じてホテル「横浜開洋亭」(現:オリエントホテル横浜開洋亭)(運営は(株)開洋亭)をオープンし、ホテルからのロイヤリティー、賃貸収入などを中心に、93年12月期には年収入高約11億2000万円を計上していた。

 しかし、競争激化と宴会部門の低迷でホテル経営は軌道に乗らず、赤字計上から債務超過に陥っていた。このため返済計画が滞る中、2001年5月には神社の一部が金融機関より差し押さえられ、競売開始決定を受ける事態になっていた。事態を重視した神奈川県神社庁は、「神社の尊厳護持の観点から神社関係者による購入が望ましい」と判断、2002年9月末に神社境内の土地約1万4000平方メートルと建物15棟を買い取り、県神社庁が直接管理する形となり、ホテル部分の土地・建物を除いて金融機関は競売を取り下げていた。

 なお、(宗)伊勢山皇大神宮の実情は残務整理が行われているのみで実態はない。
 申請時の負債は、債権者約2名に対し約85億6559万円。