レポート株式会社ツクダ

2003/04/03

TDB企業コード:985434400 東京都台東区 老舗の玩具卸 民事再生法を申請 負債80億円

「東京」  (株)ツクダ(資本金1億8000万円、台東区橋場1-36-10、登記面=台東区元浅草3-1-3、代表佃義範氏、従業員169人)は、4月3日に東京地裁へ民事再生法を申請し、同日、保全命令を受けた。

 申請代理人は藤田吉信弁護士(新宿区左門町13-1、電話03-3353-7522)。

 当社は、1935年(昭和10年)9月創業、50年(昭和25年)12月に法人改組された老舗の玩具卸業者。60年に「ウインキー(ダッコちゃん)」、67年に「ケロヨン・シリーズ」などのヒット商品を販売。74年10月には、玩具製造を行っていたオリジナル貿易特販部門を分離して、(株)ツクダオリジナル(現・(株)パルボックス)を設立。同社は「オセロ」(世界64カ国で発売され、累計2000万個を販売)や一大ブームとなった「ルービックキューブ」、「スライム」などのロングセラー商品を生み出した。

 国内の玩具問屋として高い知名度を誇り、営業基盤の強化、事業の多角化を目的に子会社を相次いで設立するなど業容を拡大。玩具のほか生活雑貨を扱い、量販店や百貨店、小売店など約800社を対象に販売し、98年3月期には年売上高約286億7400万円を計上していた。

 しかし、消費低迷の影響から売り上げが伸び悩むなか、(株)ユーシン(東京、99年9月破産宣告)に約1億3900万円、(株)藤村(新潟、2000年1月破産宣告)に約3000万円、(株)長崎屋(東京、2000年2月会社更生法)に約3000万円の焦げ付きが相次いで発生した。2000年7月にはそごうグループ(東京、民事再生法)に対して約4800万円、さらに同年12月、大口の得意先であった(株)靴のマルトミ(愛知、民事再生法)に約6億6000万円の不良債権が発生し、資金繰りが急速に悪化した。このため、メーンバンクから緊急融資を受けてしのいだが、対外信用は大きく低下していた。

 2001年4月に(株)靴のマルトミから優良店舗17店、同年10月には(株)チヨダから玩具部門の「ハローマック」10店舗(トイプラザに店舗名を変更)を譲り受けて小売部門を強化するほか、NHKのキャラクターグッズの取り扱いにも注力。子会社の(株)ツクダオリジナルを(株)バンダイへ約4億5000万円で売却する(2002年7月)など立て直しを図ってきたが、多額の借入金負担が重荷となり、ここにきて金融支援も限界に達した。

 負債は2002年3月末時点で約80億円。