レポートハウステンボス株式会社

2003/02/26

TDB企業コード:850218356 長崎県佐世保市 「ハウステンボス」運営 テーマパークでは過去最大の倒産 会社更生法の適用を申請 負債2289億円

「長崎」 九州最大のテーマパーク「ハウステンボス」を運営するハウステンボス(株)(資本金30億2500万円、佐世保市ハウステンボス町1-1、代表森山道壮氏、従業員1000人)は、2月26日に長崎地裁佐世保支部へ会社更生法の適用を申請した。

 負債は約2289億円。

 申請代理人は松嶋英機弁護士(東京都港区虎ノ門5-1-5、電話03-3433-7631)ほか。

 当社は、1992年(平成4年)3月にオープンした九州最大のテーマパーク「ハウステンボス」の運営会社。82年12月に設立した長崎オランダ村(株)(長崎県西彼町)が前身で、2000年4月に、旧ハウステンボス(株)を91年10月に別途設立していたエヌ・ティ・ビィ・トランスポート(株)に吸収合併して社名をハウステンボス(株)に商号変更。地元有力企業のほか、長崎県、佐世保市が各0.26%(60500株中156株)を出資している第3セクター。

 ハウステンボスは、大村湾を望む総面積152万平方メートルの敷地に中世オランダの街並みを再現、「ノアの劇場」、「パレスハウステンボス」、「大航海体験館」などの遊戯施設のほか、ホテル、分譲別荘・マンション、飲食店、物販店などがある長期滞在型観光施設で、96年には長崎オランダ村を含めて約425万人の入場者があり、旧ハウステンボスの97年3月期の年収入高は約496億5400万円の過去最高を記録した。

 しかし、国内の観光客減少を穴埋めしてきた東南アジアからの観光客が北海道などほかの国内観光地に奪われるようになって入場客数も減少の一途をたどり業況はジリ貧、2002年同期の年収入高は約320億700万円(構成比は物販事業28.5%、宿泊事業27.1%、テーマパーク事業19.5%、飲食事業13.9%など)と前期比10.4%減に落ち込み、赤字体質が慢性化していた。

 さらに分譲別荘・マンションも売れ残りが生じて資金面を圧迫していた。

 再建策としてメーンバンクの旧・日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)が2000年3月、2001年10月の2回にわたって合計約530億円を上限とする債権放棄を合意、関連会社に分離していた長崎オランダ村を2001年10月に閉鎖した。

 業績悪化に歯止めがかからないうえ、未だ借り入れ負担も重かったことから、みずほフィナンシャルグループが今3月期で2兆円の不良債権処理をするにあたり、同社もその流れを受けて今回の措置になった。

 なお、テーマパーク運営会社としては過去最大の負債額。また、第3セクターの倒産としては、フェニックスリゾート(株)(負債2762億円、宮崎、2001年2月更生法)に次ぐ大型倒産となる。