レポート新興産業株式会社

2003/01/15

TDB企業コード:985334450 東京都港区 「さいでりあ」で知られる住宅外装材販売、工事 2回目不渡り 負債222億円

新興産業(株)(資本金8000万円、東京都港区芝2-8-8、登記面=東京都渋谷区代々木2-20-14、安田修社長、従業員230人)は、1月14日にみずほ(新宿西口)で2回目不渡りを出した。
同社は1976年(昭和51年)4月に設立され、当初はガス漏れ警報器の販売を行っていたが、その後住宅向けエクステリア商品(テラス、ベランダ、サンルーフ、カーポート、スノーガードなど)の販売に転換し、近時は一戸建て住宅の居住者を対象に外装工事を手掛けていた。外壁材(サイディングボード)に関しては先発業者としての地位を確立、最近の売上構成は外壁材「さいでりあ」70%、フッソ樹脂塗装の屋根「やねでりあ」18%、外装を主体とした各種営繕工事12%となっていた。営業戦略では、商品名を主題歌とするテレビCMを積極的に展開して知名度をあげ、全国的な支店網を築いて営業員による戸建住宅への訪問販売方式で90年代前半に急成長を遂げ、89年3月期に約272億円だった年売上高は、96年同期には約497億円へと拡大していた。
しかしその後は、市場の冷え込み、拡大路線の反動、さらにはユーザーや取引先とのトラブルによるイメージダウンなどから業績は急速に悪化。2000年同期の年売上高は約305億6400万円にまで落ち込み、有価証券評価損などの計上から最終赤字に転落。このため、人員の削減や不採算事業の閉鎖のほか、2002年3月には旧・本社ビル(渋谷区、98年建設)を売却し借入金を返済するなどリストラを行い、立て直しに努めていた。しかし、営業力の低下に加えて市況の低迷、同業他社との競合激化によって2002年同期の年売上高は約168億円にまで落ち込み、固定資産売却損などから8億円強の最終赤字を余儀なくされていた。この間には、取引先への支払いの遅延が起きるなど信用も失墜、金融機関からの支援も限界となっていた。
 2002年3月期時点の負債は約222億円。
 なお、同社は東証2部ほか上場の新興産業(株)(大阪市、繊維卸)とは一切関係ない。