レポート松栄建設株式会社、松栄不動産株式会社、エースランド株式会社

2003/01/06

TDB企業コード:270033890 埼玉県さいたま市 地元トップクラスの総合建設工事業者 破産宣告受ける 負債1850億円

「埼玉」 松栄建設(株)(資本金2億5125万円、さいたま市桜木町4-92、代表松江得三氏、従業員144人)と、関係会社の松栄不動産(株)(資本金1億8000万円、同所、同代表)、エースランド(株)(資本金3000万円、さいたま市桜木町1-397-2、代表松永啓一氏)の3社は、1月6日に東京地裁より破産宣告を受けた。

 破産管財人は滝久男弁護士(東京都中央区京橋1-4-10、電話03-3274-3805)。

 松栄建設(株)は、1926年(大正15年)創業、46年(昭和21年)3月に法人改組された地元トップクラスの総合建設工事業者で、73年10月には不動産業務を分離して松栄不動産(株)を設立し、グループで事業展開していた。大手ゼネコンからの受注を中心とした民間元請工事43%、民間下請工事23%のほか、官公庁元請工事34%の比率で手がけ、91年9月期には年売上高約236億7700万円を計上していた。

 バブル崩壊後は建設市況の悪化から受注は減少傾向をたどり、2001年3月期(93年に決算期変更)には年売上高も約110億7200万円にまで落ち込んでいた。この間、関係会社の松栄不動産(株)が1000億円以上を金融機関やノンバンクから調達して、バブル期に積極的に行っていたJR大宮駅西口開発プロジェクトへの不動産投資が、バブル崩壊により価値下落と固定化を招き、当社が松栄不動産(株)に対して行っていた貸付金や保証債務により、信用不安が拡大していた。

 このため、駅前地区を除く不動産の売却を進めるなど、金融機関からの指導を受けグループ全体での経営改善を図っていたが、不動産含み損が更に膨らむなかでグループの財務内容は悪化し、自力再建が困難となっていた。

 松栄不動産(株)は、1973年(昭和48年)8月設立の不動産売買・管理業者で、松栄建設(株)が株式の70%近くを保有し、代表も兼務していた。主にJR大宮駅西口の商業ビル用地を主体とする不動産売買を主業に業容を拡大し、89年7月期には年売上高約203億9700万円を計上していたが、バブル崩壊後は不動産売買が鈍化し、近年は物件処分による負債圧縮を進めていた。

 エースランド(株)は、1976年(昭和51年)3月設立の不動産仲介・宅地開発業者で、89年1月に松栄グループの一員となっていた。

 負債は、松栄建設(株)が約1100億円(うち関係会社への保証債務約900億円)、松栄不動産(株)が約1500億円、エースランド(株)が約150億円で、3社合計で約1850億円(保証債務除く)。