レポート農事組合法人資生園早田牧場ほか2社

2002/11/25

TDB企業コード:180070473 福島県伊達郡 競走馬生産・育成・調教 破産宣告受ける 負債58億1200万円

農事組合法人資生園早田牧場(出資金1億円、福島県伊達郡桑折町北半田御免町35、理事長早田多喜子氏)と、関連会社の(有)早田牧場(資本金300万円、北海道静内郡静内町田原503-8、代表早田光一郎氏)、(株)セントラル・ブラッドストック・サービス(資本金1000万円、北海道静内郡静内町山手町3-8-9、代表早田光一郎氏)の3社は、11月22日に札幌地裁へ自己破産を申請し、25日に同地裁より破産宣告を受けた。
 破産管財人は小寺正史弁護士(札幌市中央区大通西10、電話011-281-5011)。
 農事組合法人資生園早田牧場は、1973年(昭和48年)6月に設立。競走馬の生産・育成・調教を手がけ、「早田牧場」として知名度は高く、中央競馬会における生産者ランキングでは全国第2位にランクされていた牧場であった。新冠支場(北海道新冠郡新冠町)を本拠地に、新栄分場(北海道新冠郡新冠町)、えりも分場(北海道幌泉郡えりも町)、富川分場(北海道沙流郡門別町)などを拠点として、関係会社の(有)早田牧場(83年7月設立、種馬の育成販売)や(株)セントラル・ブラッドストック・サービス(79年9月設立、種牡馬株の売買・斡旋、保険代理業)などとともに事業展開していた。91年菊花賞を制したレオダーバン、93年菊花賞を制したビワハヤヒデ、94年4歳3冠馬ナリタブライアンを生産するなど、注目された牧場のひとつで、99年12月期には年売上高約27億9800万円(公表ベース)を計上していた。
 しかし、近年は規制緩和に伴う輸入馬の増加などから、当組合産馬の活躍が減り、競馬賞金収入や飼育競走馬売買が低調に推移したため、減収を余儀なくされていた。日本中央競馬会(JRA)のブリーダーランキングでは、2000年の10位(収得賞金5億4023万3000円)から2001年には33位(同8660万円)にまで低迷。2001年同期の年売上高は約17億円にとどまったうえ、債務超過に陥り資金繰りは悪化し、3社とも今回の措置となった。
 負債は、農事組合法人資生園早田牧場が債権者約147名に対し約50億5200万円、(有)早田牧場が債権者約19名に対し約2億6100万円、(株)セントラル・ブラッドストック・サービスが債権者約50名に対し約4億9900万円で、3社合計では約58億1200万円。