レポート株式会社ジェック

2002/09/09

TDB企業コード:580645939 大阪府箕面市 測量・設計用ソフト、GPS、GIS関連商品販売 自己破産を申請 負債59億円

「大阪」 (株)ジェック(資本金30億20万円、大阪府箕面市船場東2-1-15、代表伊藤幸男氏、従業員 297人)は、9月9日に大阪地裁に自己破産を申請した。

 申請代理人は内川治哉弁護士(大阪市中央区南船場4-3-11、電話06-6251-7266)。

 当社は、1976年(昭和51年)8月に米国モンロー社製電算機の販売を目的に設立。80年頃から測量・土木設計業務専用パソコンの販売を開始し、以降、小型自動製図機や測量・土木設計業務用のアプリケーションソフトウェア、CADなど建設技術分野のハードウェア・ソフトウエアの販売を中心に手がけていた。

 また、81年に福岡、82年に東京に営業所を開設したのを皮切りに全国に約30ヵ所の支店・営業所網を展開するほか海外にも現地法人を設立。この間、ベンチャーキャピタルや銀行、生保を引受先とした第三者割当増資や私募債の発行で資本の充実や資金調達を図り、GPS(全地球航空測位システム)関連商品の販売や営業拠点・同隣接地の不動産を取得するなど不動産投資も行い、ピーク時の96年5月期には年売上高約84億2000万円を計上していた。
 その後は、同業者間の競争激化による販売価格の下落や得意先の土木・建築業界の業績低迷による販売不振から売り上げは減少傾向をたどり、2002年同期の年売上高は約61億9500万円にまで低下。このため、GIS(地理情報システム)の取り扱いやプロバイダー事業に参入するなど、積極的に新規事業に乗り出し巻き返しを図っていた。
 しかし、2002年同期決算において長期化した過年度分売上債権の処理に伴い前期損益修正損約10億円の計上を余儀なくされたうえ、固定資産売却損の発生もあり約13億9800万円の当期損失となった。これらの不明瞭な過去の決算と大幅な財務内容の悪化で、金融機関等からの信用が大きく失墜し資金繰りが急速に悪化、9月2日にはUFJ(梅田新道)で1回目不渡りを出していた。

 負債は約59億円。